ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第785回
Xeon 6のIOチップレットには意地でもDDR5のI/Fを搭載しないインテルの強いこだわり インテル CPUロードマップ
2024年08月19日 12時00分更新
Xeon 6756Eの性能はEPYC 9534とほぼ同等
現状出荷されているのはXeon 6700製品のみということで、EコアベースのSierra Forestでのスコアであるが、5th Gen Xeon ScalableであるXeon Platinum 8592+との性能および性能/消費電力比の比較が下の画像である。
そして2nd Gen Xeon Scalableとでは3~4倍の性能と、倍以上の性能/消費電力比を実現しているとする。
ただグラフを見ると性能の方が性能/消費電力比より大きいということは、消費電力の絶対値そのものはむしろ増えていることに注意されたい。一番少ないServer-side Java Throughput w/SLAで13.8%、一番多いNGFW(1S)で68.5%の増加となる。
そして最後がAMDのEPYC 9534との比較である。ここでは同一スレッド数(128スレッド)という比較で、性能的にはやや劣るが性能/消費電力比では若干上回っているとする。
最後にSKU一覧を示しておく。Eコアベースということで動作周波数そのものはかなり低めである。現状インテルからは明示的にSierra Forestのコアがなにかは示されていないが、おそらくMeteor Lakeと同じくCrestmontと思われる。
Lunar LakeのSkymontほどではなにせよ、Gracemont世代からは多少強化されていることで、この性能を実現しているものと考えられる。もっとも微妙なのは、EPYCの方はSMTを有効にしての128スレッド、つまり64コアでこの性能を叩き出しているわけで、これの損得を判断するのはやや難しそうだ。
この連載の記事
-
第804回
PC
AI向けシステムの課題は電力とメモリーの膨大な消費量 IEDM 2024レポート -
第803回
PC
トランジスタの当面の目標は電圧を0.3V未満に抑えつつ動作効率を5倍以上に引き上げること IEDM 2024レポート -
第802回
PC
16年間に渡り不可欠な存在であったISA Bus 消え去ったI/F史 -
第801回
PC
光インターコネクトで信号伝送の高速化を狙うインテル Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第800回
PC
プロセッサーから直接イーサネット信号を出せるBroadcomのCPO Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第799回
PC
世界最速に躍り出たスパコンEl Capitanはどうやって性能を改善したのか? 周波数は変えずにあるものを落とす -
第798回
PC
日本が開発したAIプロセッサーMN-Core 2 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第797回
PC
わずか2年で完成させた韓国FuriosaAIのAIアクセラレーターRNGD Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第796回
PC
Metaが自社開発したAI推論用アクセラレーターMTIA v2 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第795回
デジタル
AI性能を引き上げるInstinct MI325XとPensando Salina 400/Pollara 400がサーバーにインパクトをもたらす AMD CPUロードマップ -
第794回
デジタル
第5世代EPYCはMRDIMMをサポートしている? AMD CPUロードマップ - この連載の一覧へ