最新パーツ性能チェック 第444回
低発熱&低消費電力でも性能が向上した「Ryzen 7 9700X」「Ryzen 5 9600X」のアプリ&AI処理性能に驚いた
2024年08月07日 22時00分更新
Zen 5が効くもの・効かないものが分かれる実アプリ
新しいRyzenの特性が見えてきたところで、オフィス&クリエイティブ系アプリのパフォーマンス比較をしてみよう。
まずは「Office 365」の「Word」「Excel」「PowerPoint」「Outlook」を実際に動かしてその性能をスコアー化する「UL Procyon」の“Office Productivity Benchmark”を試してみよう。Office 365はコア数が多くてもあまり恩恵がないが、逆に言えばシングルスレッド勝負な側面がある。Ryzen 9000シリーズの特性がバッチリハマることが期待される。
Office 365のパフォーマンスで高い評価を受けたのはCore i9-14900Kだが、TDP 65WのRyzen 9000シリーズが7000シリーズの最上位モデルを押しのけて2位・3位に着地。今回の新Ryzenの場合、コア数があまり有効でなく、シングルスレッド性能がモノを言う状況でZen 5は輝くと言っていいだろう。
テスト別にスコアーをブレイクダウンしてみると、長文を編集して検索・置換をするという地味にCPUを使うアクションの多いWordで高いスコアーを挙げている。一方PowerPointではコア数のより多いRyzen 9 7950X等が高スコアーを獲得しているなど、Officeの中でもCPUの使われ方に違いが見えてきておもしろい結果となった。
続いてはUL Procyonによる「Photoshop」および「Lightroom Classic」を利用した“Photo Editing Benchmark”を試してみる。
筆者の経験では、Lightroom Classicはコア数が多くてクロックの高いCPUがスコアー上昇に効き(使用するフィルターにもよるが)、一方Photoshopはスコアーを延ばすのが難しい。Ryzen 7000シリーズによってPhotoshopのスコアーを稼ぎやすくなったが、Ryzen 9000シリーズは7000シリーズ以上にPhotoshopのスコアーが伸びる。Zen 5はZen 4の発展型であることから当然といえるかもしれないが、ここまでPhotoshopが伸びるCPUは久しぶりだ。
ちなみにこのPhoto Editing Benchmarkがなにをやっているのかは、公式のドキュメントを一読するといいだろう。
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