AI活用の取り組みに慎重な日本企業、その背中を押すキーワードは「ワークロード視点での支援」
「レノボのAI戦略、やるべきことは明確」LES 多田社長が語る3つの取り組み
2024年08月07日 16時00分更新
AI投資に慎重な日本企業の背中を押す「ソリューションエコシステム」構築
2つめの取り組み「AIイノベーターズ・プログラムの推進」は、「AIソリューションのエコシステムを立ち上げる」ことが目的だ。ここに注力する理由も、前出のCIO調査レポートの結果から導かれる。特に「日本のみ」の結果を見た場合に、この取り組みの重要さが分かるという。
CIO調査レポートの結果からは、日本のCIOもAIのビジネス活用には前向きな姿勢であることが分かる。ただし他の調査対象国と比べると、AIへの投資姿勢は「かなり慎重」だと言える。そして、日本のCIOが考える「AIを展開する際の課題」としては、「AIのビジネスユースケース構築」がトップに挙がっている。
「レノボとして、このような(AIに対して慎重な)お客様を後押しするために、AIイノベーターズ・プログラムを展開している」
このプログラムはレノボがグローバルで展開しているものであり、現在までに50社以上のAIソリューションパートナーが参画している。業種特化ソリューションも数多く、ソリューションのラインアップは165種類以上に上るという。日本国内でも展開を強化しているところだ。
「AIのパートナーエコシステムは他社にもあるが、IT側の、テクノロジー視点でのエコシステムばかりだ。一方、レノボのこのプログラムの特徴は『ワークロードドリブンであること』。お客様のサーベイ(前出のCIO調査レポート)の結果から、必要なのは『ワークロードという視点で会話ができるパートナー』だと分かった。そうしたパートナーがいることで、お客様が求めるアウトカム(導入の成果)に一番早くたどりつく。そこで、レノボのプログラムはこうした立て付けとなっている」
これがまさに“AI for All”をビジョンに掲げ、カスタマーファーストでAI戦略を進めようとしているレノボとしての独自性だと、多田氏は強調した。
「檜山(レノボ・ジャパン社長の檜山太郎氏)も言っているが、やはり“AI for All”を実現していくうえでは『お客様との伴走』が大きなポイントになる。現状はまだ『どうしていいか分からない』『いつ、何をしたらいいか分からない』と迷われているお客様も多い。レノボはそうしたお客様に伴走するかたちで、製品やサービスを拡充していく」