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AI活用の取り組みに慎重な日本企業、その背中を押すキーワードは「ワークロード視点での支援」

「レノボのAI戦略、やるべきことは明確」LES 多田社長が語る3つの取り組み

2024年08月07日 16時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp 写真● 曽根田元

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 「社会のAI活用がますます加速していく時代に、レノボとしていま何をしなければならないのかは明確になっている」

 昨年(2023年)6月、AIインフラソリューション分野への「3年間で10億ドル以上」の追加投資を発表したレノボ。10月に米国で開催したグローバルイベント「Lenovo Tech World」では“AI for Allビジョン”を掲げ、サーバーからエッジ、クライアントまでの製品とサービスを通じて「すべての人にAIの恩恵を届ける」方針であることを宣言した。

 日本市場でレノボ ISG(インフラストラクチャー・ソリューションズ・グループ)のビジネスを指揮する、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ(LES) 社長の多田直哉氏は、国内でも「3つの取り組み」に注力していくとする。そのキーワードは「ワークロード視点」だ。

レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ(LES)代表取締役社長の多田直哉氏。今回の取材は社長就任(2023年7月)からちょうど1年というタイミングだったが、「物事がものすごいスピードで進むので(1年よりも)もっと長く感じる」と振り返った

顧客企業のAI戦略と課題をふまえ、3つの重点活動領域を定める

 冒頭に掲げたコメントのとおり、多田氏は“AI for All”というビジョンのもと、顧客の実際の声も聞くことで「レノボがやるべきことは明確になっている。そこが強みだ」と語る。

 「お客様がいま、AIをどのようにとらえ、どんなことに困っているか。レノボとしてはそれを理解したうえで、それに対応するかたちで『3つの取り組み』を進めていく方針だ」

 レノボでは今年1月、企業CIOに対するグローバル調査レポート「CIO Playbook 2024 - It's all about Smarter AI」を発表した。その結果に見られる顧客企業のAI/IT戦略や“困りごと(課題)”に基づき、レノボでは3つの重点活動領域を定めて、独自のAI戦略を推進しているという。

レノボによるCIO調査では、2024年のビジネス優先事項のトップが「生成AIなどの最先端テクノロジーの活用」となった(「CIO Playbook 2024」より)

 CIO調査レポートで明らかになったのは、AI活用に対する高い期待の反面、実態としては活用があまり進んでいないという「乖離、ギャップ」だと、多田氏は指摘する。生成AIの登場もあり、世界で作成されるデータ量は2025年には181ZB(ゼタバイト、ZBはPBの100万倍)に達すると予測されているが、現状で処理されているデータ量はそのわずか2%でしかないという。

 「ここにはIT業界とお客様のビュー(視点)の乖離もある。爆発的に増えるデータを扱うためのITインフラ、テクノロジーをどうするかというIT業界の視点、AIのテクノロジーをどう活用すればいいのか、何が自社のベネフィット(利益)になるのかというお客様の視点。その乖離だ」

 そこでレノボでは、カスタマーファーストの姿勢をとりながら、顧客企業のAI活用を支援する「3つの取り組み」に注力していく。それぞれ次のような内容だ。

・“AI Ready”製品の提供拡大:サーバー/エッジ/PCの全領域にわたる、AI処理に対応した製品ポートフォリオの展開
・AIイノベーターズ・プログラムの推進:“AIワークロード”を主軸としたグローバルなパートナーエコシステムの構築
・サービスとしての(as-a-Service)提供:月額課金型「Lenovo TruScale」などを活用した容易なAIソリューション導入

「実行するAIワークロード」を軸にGPUサーバー群を展開、水冷技術も

 多田氏は、1つめ、2つめの取り組みにおける、レノボならではの特徴について説明した。その基本的な考え方をひと言でまとめれば「ワークロードドリブン」、つまり顧客企業が必要とするAIワークロードを中心に据えて考える視点、となるだろう。

 1つめの取り組みは「AI Ready製品の提供拡大」である。

 CIO調査レポートによると、AIワークロードの展開先として「ハイブリッドクラウド」を挙げたCIOは28%に及んだ。これに「プライベートクラウド」28%や「従来型データセンター」13%を加えると、今後はAIワークロードの多くが“パブリッククラウド以外”に展開されていくことがわかる。

CIO調査レポートより「AIワークロードの展開形態」(図左)

 そこでレノボでは、AIスマートフォン/タブレットやAI PCから、AI処理対応のエッジデバイス、そしてサーバーまで、すでに80種類以上のAI Ready製品を提供している。LESの担当領域であるデータセンター/エッジに限ってみても、多くの選択肢が用意されている。

 たとえばGPUサーバーとしては8モデルをラインアップしており、CPUはIntel/AMD、GPUがNVIDIA/AMD、また内蔵GPU数は3~8基の中から選択できる。こうした選択肢は実行したいAIワークロード、つまりワークロードドリブンで用意されているという。

GPUサーバーだけでなく、“AI Ready”なHCI、エッジサーバー、ワークステーションもラインアップする

 レノボ独自の直接水冷「Neptune」を採用したGPUサーバーも、すでにラインアップしている。多田氏は、発熱量の多いGPUサーバーをデータセンターで高密度に収容し、消費電力を削減していくうえでは、直接水冷のテクノロジーが重要な役割を果たすと説明する。

 「大量のコンピューティングリソースが必要になってくるなかで、(Neptuneは)ものすごくインパクトが大きい、優位性の高い技術だと考えている。国内でも、すでに大手製造業のお客様で導入されているほか、大手金融機関でもほぼ導入が決定している」

直接水冷技術「Neptune」は、常温水でも冷却が可能なためチラー設備が不要であり、データセンターの電力削減に貢献するとアピールした

8GPUを搭載するGPUサーバー「ThinkSystem SR780a V3」。直接水冷方式を採用することで5Uサイズのコンパクトな本体を実現

 また、エッジデバイスでもAI Ready製品を拡充している。前出のCIO調査レポートでは、2024年のエッジコンピューティング関連支出が前年比で25%も増加するという結果が出ている。上位の用途は「リアルタイム分析」や「顧客エクスペリエンス改善」となっており、ここでもAI活用が期待される。

エッジサーバー「ThinkEdge SE350/450」のAI活用事例

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集計期間:
2026年06月11日~2026年06月17日
  • 角川アスキー総合研究所