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OBCとのパートナーシップ、生成AIによる予実分析レポート自動化機能も同時発表

シリーズBで70億円資金調達のログラス、CEOが示す「日本企業の低迷」解消戦略

2024年08月01日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 クラウド経営管理システム「Loglass 経営管理」を開発/提供するログラスは、2024年7月31日、シリーズBにおける70億円の資金調達、Loglass 経営管理の新機能「AI予実分析レポート」提供開始、オービックビジネスコンサルタント(OBC)の「奉行V ERP クラウド」とのAPI連携開始、という3つの発表を行った。

 同日の事業戦略発表会に出席したCEOの布川友也氏は、日本企業の労働生産性と経営効率性が長年低迷し続けている背景には、経営と現場のデータが分断され、意思決定に必要な情報が不足している“経営のBLACK BOX”状態があると指摘。この課題を解決するために、ログラスは今後2~3年のうちにデータ経営関連のプロダクトを大幅に拡充し、生成AIによるデータ分析機能も組み込んで、可視性のある“経営のCLEAR BOX”を増やしていくという短期戦略と、その先の中長期戦略を明らかにした。

ログラス 代表取締役CEOの布川友也氏

経営の意思決定に必要な情報が不足している“BLACK BOX”の現状を、データとAIの力で可視性のある“CLEAR BOX”に変えるプロダクト群を拡充させていく

データとAIの力で“経営のBLACK BOX”問題を解消する

 2019年設立のログラスは、「良い景気を作ろう。」というミッションのもと、顧客企業の業績向上、価値向上に必要なデータ経営ソリューションを開発/提供するスタートアップだ。2020年から提供開始した主力プロダクト「Loglass 経営管理」は、東証プライムや東証グロースの上場企業を中心として、現在までに「数百社」(布川氏)が導入しているという。

 2022年4月にはシリーズAで17億円の資金調達を行った。それ以降、累計導入社数は6倍以上に、従業員数は5倍以上(現在164名)に拡大したという。またプロダクトのラインアップも、現在は5つ(Loglass 経営管理、Loglass IT投資管理、Loglass 販売計画、Loglass人員計画、Loglass サクセスパートナー)に増えている。

Loglass 経営管理の導入企業、および導入効果の例

 布川氏は、Loglass 経営管理は前述した“経営のBLACK BOX”状態を解消するために開発したと説明する。経済産業省も「バケツリレー式経営」という言葉で指摘するとおり、多くの企業では経営管理に必要がデータの集計が、現場の各部署に散在するExcelファイルからの“バケツリレー方式”でまかなわれており、十分なデータ分析ができない、意思決定に必要な情報が集まらない状態が続いている。

 データの収集や加工、可視化を自動化/効率化するプロダクトを提供し、こうした現状を変えることで、日本企業が本来持つ価値を引き出そうというのがログラスの狙いだ。

布川氏は日本企業の多くが抱える“経営のBLACK BOX”の課題を繰り返し指摘した

3年間でプロダクト数を4倍以上に、その先では「AI ERP戦略」

 こうした現状認識をベースとして、布川氏は今後3年間(2027年4月まで)をターゲットに展開する短期のプロダクト戦略、また今後10年程度をかけて進める中長期のプロダクト戦略を明らかにした。

短期のプロダクト戦略として「xP&A戦略」を、中長期のプロダクト戦略として「AI ERP」への拡張を挙げた

 まず短期プロダクト戦略については、Loglassシリーズでまだカバーしていない計画領域にプロダクトを拡大する「xP&A with AI戦略」を進めるとした(P=プランニング、A=アナリシスを指す)。

 布川氏は、“経営のBLACK BOX”は経営管理に限らずあらゆる計画領域に存在することを指摘し、「ログラスが(その他の計画領域でも)多数のプロダクトを展開していく余地がある」と、その狙いを説明した。3年後には、現在の4倍以上にあたる20以上のプロダクトへラインアップを拡大し、導入企業数も1000社以上まで増やす事業目標も掲げている。

“経営のBLACK BOX”は幅広い計画領域に存在しており、それゆえにログラスがプロダクトを拡大していく余地があるという見方を示した

3年後(2027年4月まで)の事業目標

 一方、中長期のプロダクト計画としては「AI ERP戦略」を掲げる。これはLoglassシリーズで計画領域をカバーしつつ、実績管理領域のプロダクトを持つパートナーと連携し、そこにAIや分析の技術を組み合わせることで「真のリソースプランニングプラットフォーム」への拡張を実現するものだという。

 布川氏は、AI ERP戦略については「10年単位でやっていく長期の取り組み」としたうえで、今回発表したOBCとの連携(後述)は「その第一歩である」と述べた。

中長期のプロダクト戦略としては、実績管理領域のパートナー連携も含めた「AI ERP戦略」を掲げる

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