CO2を出さないバスでの屋久島観光を目指して
Hyundai Mobility Japan(ヒョンデ)は、岩崎産業との間で、2024年7月18日に鹿児島県屋久島町での中型電気バス「ELEC CITY TOWN(エレク シティ タウン)」の販売に関する基本合意書を締結した。
地球温暖化対策としてのCO2削減が求められる中、屋久島では99.6%の電力が水力発電に依存しており、いわさきグループ(岩崎産業)は「屋久島のゼロエミッション(排出物をゼロにする)」化に尽力しているという。従来のバスはディーゼルエンジンが主流だったが、ヒョンデは技術革新を通じて中型電気路線バス「ELEC CITY TOWN」を導入することで、公共交通機関でのCO2削減を目指すとしている。屋久島の自然エネルギーを活用し、将来的には島内のすべてのバスとタクシーをゼロエミッション車両にする計画だ。
岩崎産業の代表取締役社長、岩崎芳太郎氏は「屋久島は世界唯一のゼロエミッションを実現できる場所。今回の電気バス導入により観光事業の活性化にも期待ができる」と語った。
2024年末から本格的に電気バスの販売を開始
さらにヒョンデは、日本市場に合わせた中型電気路線バスの販売を2024年末から開始することも発表。もともと、2009年から大型観光バス「Universe」を販売し各地の事業所に納入していた。また、2022年にはEV「IONIQ 5」と、FCEV「NEXO」を日本市場で発売し、商用車部門でも2017年に電気路線バス「ELEC CITY」を韓国で発売するなど、シリーズを拡充している。
「ELEC CITY TOWN」の導入は、郊外路線やコミュニティバスの需要に対応するもので、現在の日本市場では電気バスの選択肢が限られているため、公共交通機関の運営者にとって急務とされている。ヒョンデはこの新車両を通じて、身近なバス路線からのCO2削減に貢献する意向だ。
さらに、2024年問題対策として、車両管理の省力化を実現するOBD2コネクタを介したテレマティクスサービスの導入準備を進めており、故障や修理によるダウンタイム減少対策として、部品の翌日納品率95%以上を目指すという初期部品在庫の準備を行ない、アフターサービスも充実させるとした。
屋久島でのゼロエミッションに向けての2社の動きに期待したい。