日本のAIベンチャーSakana.AIは7月21日、日本の伝統美術である浮世絵の特徴を学習した2つの画像生成AIモデル「Evo-Ukiyoe」と「Evo-Nishikie」を公開した。
2つのモデルを発表
Evo-Ukiyoeは、同社が4月に発表した「進化的モデルマージ」技術を基に開発された「Evo-SDXL-JP」(SDXL、Juggernaut-XL-v9、SDXL-DPO、JSDXLを含む)を基盤とし、日本語のテキストプロンプトから浮世絵風の画像を生成する「Text-to-Image」モデル。
Evo-Nishikieは、Evo-Ukiyoeを使用して訓練されたControlNetモデル。墨絵など単色の浮世絵をカラー化する「Image-to-Image」機能を持つ。
両モデルの学習には、立命館大学アート・リサーチセンター所蔵の浮世絵画像が使用された。一方、Evo-Nishikieのデモンストレーションやサンプルコードでは、国文学研究資料館所有、人間文化研究機構データサイエンス共同利用基盤施設人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)が提供する日本古典籍データセットが活用されている。
この日本古典籍データセットは、Evo-Nishikieの能力を示すためのサンプルデータとして選ばれたものであり、モデルの学習には使用されていない。
両モデルは研究開発目的のみでの使用を想定しており、商用利用や重要なシステムへの導入は意図されていない。
立命館大学アート・リサーチセンターのセンター長、赤間亮教授は、「これらのモデルがアーティストの創作意欲を刺激し、一般の愛好者が本物の浮世絵の意味をより深く追求するきっかけを与える」と評価している。