今、カメラの世界では「被写体検出」のレベルアップを各社が競っているわけだが(それもこれも、AIのおかげだ)、スマホの世界でも同じ。人間(身体、頭部、瞳など)の検出が一段落したら、次の狙いは猫だ。いや犬でもいいんだけど、本連載では「動物検出AF」を「猫検出AF」と呼んでおります。
今回使ってみた猫瞳検出カメラは、シャープの「AQUOS R9」。この面妖でほにゃっとしたカメラ部のデザインに賛否両論あるみたいだけど、私は好きですよ、これ。威圧感がないというかハイテク感があまりないというか、そんなほにゃっとした感じがいい。
そして、そのポートレートモードで背景をぼかして撮ったのが冒頭写真。そのときの画面がこちら。チェックポイントは3つ。
ひとつは、肉球アイコン。ポートレートモード時に、人物かペットかどっちを撮るのか選べるのだ。ペットを選ぶと、この「肉球」アイコンになる。
2つめは、ペットモードにすると「毛並み」の表現の強さを選べること。人物だと「美肌」、ペットだと「毛並み」だ。「くっきり」か「ふんわり」かを選べるのである。これはもう自分のペットで試してみるべし。
3つめは、ちゃんと猫の「瞳」を見つけてくれてること。やっぱこれは大事。
通常の写真モードでも猫がいると瞳(遠くにいるときは顔)を見つけてくれるし、AIをオンにしておくと、「動物」を見つけたって、ちゃんと教えてくれる。
これはいい。こちらが何を撮ろうとしてるのか、カメラがわかってくれてるって感じがいい。
このAQUOS R9は、超広角と広角のデュアルカメラで望遠にはあまり強くない。つまり、飼い猫向けスマホだってことで、いろんな猫を撮れる、いつもの「保護猫シェルター QUEUE」へおじゃまである。
すると、新しく保護された子猫が何匹もおり、飛んだり走ったりの大運動会の真っ最中。そして、おもちゃを取り出すと、集まるわ集まるわ。
おもちゃで遊んでる猫を撮ろうと思うのだけど、子猫が何匹もいると、どの子がおもちゃに飛び付くのかわからないのが面白いところ。このときは、3匹がひとつのおもちゃを狙っていたのである。
時には、視界の外から別の猫が飛び込んできたりするから大変である。
ここは猫カフェじゃなくて保護猫シェルターなので、もちろん、里親さん募集中です。こんなにおります。全部で6匹写ってるので、お探しあれ。遊び盛りの子猫と、のんびり昼寝したい大人猫との対比に注目。
最後は、ほんわかなカットで締めたい。子猫が来ない場所でお昼寝してる大人猫たちだ。
そして、指を差し出したらくんくんしてくれた、白黒のしんのすけくん。
ちょっと離れてピシッとかっこよく撮れるのがデジタル一眼のよさなら、近い距離感で親しげな写真を撮れるのがスマホのよさなのだ。しかも、片手で遊びながら片手で撮るってこともできるので、スマホが猫をきれいにさくっと撮れる機能をどんどん強化してくれるとうれしいのである。
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筆者紹介─荻窪 圭
老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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