皆さま、こんにちは。三菱一号館美術館が2024年11月23日の再開館まで、建物メンテナンスのために休館していることは既にご存じかと思います。本日はそのメンテナンスの様子をお届けしましょう。
以下の1枚目の写真は特別な許可を得て屋根の上に上ってみた時のもので、2枚目の写真は屋根の上から皇居方面にある丸の内二重橋ビル方向を眺めたところです。
壁にはトゥールーズ=ロートレックが描いた人物を組み合わせた仮囲い装飾が見えます。当館のレンガをイメージした色を背景に、メイ・ベルフォールなどのおなじみの人々が描かれています。さて、屋根部に目を凝らしてみてください。屋根にパイプや梯子があるのがお分かりでしょうか。これが屋根部全体に敷設されています。人が通れる通路もあり、避雷針のある三角屋根の上まで行くことができます。今回はその通路の上から撮影しました。
こちらが三角屋根と避雷針です。瓦はスレート。
現在の建物は2009(平成21)年の竣工ですが、もともとは1894(明治27)年竣工の19世紀の建築物でした。三菱一号館の復元前、この場所には近代的なビルが建っていましたが、21世紀に至り、建物を復元した時、構造から細部にいたるまで、可能な限り旧三菱一号館に忠実に再現されました。屋根について言えば、もともとのスレートは宮城県の雄勝(おがつ)産でした。復元時には雄勝産のスレートの調達が困難になっていたため、現在のスレートは一部を除き、ほぼスペインからやってきたものです。
この日は雨が降ってきて、深いグレーのスレートに大粒の雨が落ちて、うろこのスレート屋根がよりリズミカルに見えました。
秋の再開館にむけ、この仮囲い装飾やパイプなどは数か月後には撤去される予定です。ちょっと武骨な現在の姿もメンテナンスのための今だけのもの。お近くにいらっしゃったら、ぜひ一度見上げてみてください!
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