試練その2 MIPSが挟んだアホ毛が痛い
今まで使ってきたOGK KABUTOのヘルメットがもう寿命だというので、GIROのヘルメット「SYNTHE MIPS AF」を買いました。Amazonで税込2万9920円也。
ヘルメットは衝撃吸収材としてスチロールが使われているので劣化しやすく、日本ヘルメット工業会は購入後3年を寿命としています。ところが特に何の不満もなかったおかげで、OGKを使い始めて気がつけばもう5年。
舶来品のGIROですがAF=アジアンフィットという我々モンゴロイド向けの形状も用意されており、フィット感も日本のOGKに負けず劣らず。何より興味深があったのは最近流行りの「MIPS(ミップス)=Multi-directional Impact Protection System(多方向衝撃保護システム)」という安全機構であります。
ヘルメットの帽体とライナーによる二重構造で、人の頭に直接触れるライナーから帽体はフローティング状態にあります。例えるならビルの免震構造のようなもの。10mm程度の範囲で帽体が自由に動くことで、走行中の落車により受ける回転方向の加速度を緩和しようという仕組みです。
ただ、私は使ってすぐに毛髪の危機を感じました。ここでロードレースをご覧になる方は、ヘルメットの穴から飛び出すタデイ・ポガチャルのアホ毛を想起してください。歳も歳なのであそこまでの元気はありませんが、私のような凡人にもアホ毛はあります。
ヘルメットを被ると、そのアホ毛が薄い透明なライナーの隙間を突き抜け、帽体の溝に接します。この帽体がMIPSの仕組みで左上へ動くとどうなるか。赤い矢印の部分にご注目ください。
それまで見えていた溝が見えません。つまりアホ毛はライナーと帽体の間に挟まれ、引っ張られる。電気カミソリの内刃と外刃のような関係とでも申しましょうか。もっとも、それで毛が抜けた切れたといった事態には至っておらず、なんかチクチクするぞ程度のものですが、毛髪の不可逆的損失にチャレンジし続けている私などには、その悪夢の瞬間がいつ訪れるのか、そればかりが気になって困るのであります。

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