OpenAIと米TIME誌は6月27日(現地時間)、複数年にわたるコンテンツ契約と戦略的パートナーシップを発表。ChatGPTを含むOpenAIの製品は、TIMEのアーカイブから現在及び過去101年分の記事にアクセスし、ユーザーの質問に対してより正確な情報を提供できるようになる。また、各回答にはTime.comの元記事への引用とリンクが含まれることで、情報の透明性も確保される。
情報アクセス拡大を目指すTIMEとOpenAIの戦略
今回の契約は、OpenAIと出版社間の提携としては最新のものであり、両者にとって重要な節目となるものだ。OpenAIはこれまでにも、The Atlantic、Vox Media、The Financial Timesといった大手出版社と契約を締結しており、AIによる記事作成や配信の可能性を探求してきた。
一方、TIME誌にとっても、今回の契約はデジタル化時代の新たな挑戦と言える。
近年、多くのメディア企業がデジタル課金制度の撤廃や、無料コンテンツの拡充といった施策を打ち出しており、TIME誌も2023年6月にデジタル課金制度を完全に撤廃している。
今回の契約は、こうした取り組みの一環として、読者への情報アクセスを拡大し、新たな収益源を模索するものであると解釈できる。
OpenAIのCOO、ブラッド・ライトキャップ氏は「AIツールを通じてニュースコンテンツへのアクセスを容易にし、元のソースへの適切な帰属を提供することで評判の高いジャーナリズムをサポートする」と語っている。
なお、OpenAIは2023年12月27日にニューヨーク・タイムズからマイクロソフトと共に「何百万もの記事を無断でコピーした」と著作権侵害の疑いでで提訴され、現在も係争中だ。