このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

Microsoft Build Japan基調講演レポート

セブン銀行がAzure OpenAIで推進する、接客AIでの“ATMの顧客体験向上”

2024年07月03日 08時00分更新

文● 阿久津良和 編集● 福澤/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

NTTデータ:tsuzumi×Azureで生成AIを体験しやすい環境を

 NTTデータは、NTTが2023年11月に発表した独自LLM(大規模言語モデル)「tsuzumi」と、Microsoft Azureの親和性をアピールした。

 同社の取締役常務執行役員 CTOである冨安寛氏は、「tsuzumiは、NTTの40年以上にわたる日本語の自然言語処理を研究を反映している。日本語の精度は世界トップクラスだと自負している」と説明。すでにNTTグループだけでも導入相談が500件以上に達しており、ユーザー企業からの問い合わせも増加しているという。

NTTデータ 取締役常務執行役員 CTO 冨安寛氏

 さらに、新たにAzureのMaaS(Model-as-a-Service)上でtsuzumiを提供開始し、「クイックにtsuzumiを体験できる環境を提供できる」(冨安氏)と強調。NTTデータがプライベート環境を用意する「LITRON Generative Assistant」を利用することで、ユーザー独自のソリューションをオンプレミスで展開することも可能だ。

tsuzumiの展開例

経済産業省:日本の生成AI開発力を高める「GENIAC」をAzureで推進

 経済産業省は2024年2月から、生成AIの開発力強化と社会実装を促進するプロジェクト「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)」を推進している。開発基盤となったのはMicrosoft Azureだ。

 Azureの採択理由として、同省 ソフトウェア・情報サービス戦略室長である渡辺琢也氏は、「学習基盤との相性が高い。(GENIACは)スタートアップ企業を対象としているため、価格面でも良い提案をいただけた。開発メンバーからは、マイクロソフトによる24時間のサポート体制が頼もしいという声が上がっている」と評している。

 GENIACでは、生成AIに欠かせない計算資源調達の支援や、データ保有者との連携促進、開発者同士の交流機会などを提供する。渡辺氏は「競争力を持つAIを作るためには、データが重要。そして今、インターネット上には活用されていないデータが山ほど存在する。これらのデータの活用や(データ所有者との)連携を政府として支援したい」と述べている。

経済産業省 ソフトウェア・情報サービス戦略室長 渡辺琢也氏

 その他の国内事例としては、日産自動車による、バッテリーの性能劣化をAI予測する取り組みも披露された。AIで電圧の特異性を解明することで実現し、Microsoft Researchと共同で研究を進めてきた。

 シミュレーションデータでは約80%、実データでは30%以上の精度向上を達成。劣化予測における平均誤差も0.0094まで抑制し、電気自動車やハイブリッド自動車の有用性を高める結果を示しているという。

■関連サイト

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード