クラウドストレージの使いやすさ、快適さのカギを握る「同期処理のスピード」

ファイルサーバーの「使い勝手」を変えずクラウドストレージへ引っ越すには?

文●大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

提供: Dropbox

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 これまで社内で使ってきたファイルサーバーをやめて、クラウドストレージに引っ越したい――。そう考えたとき、心配な点のひとつが「使い勝手が変わること」です。

 ファイルサーバーは大勢の社員が使うものですから、クラウドストレージに移行した際の影響範囲は大きく、移行の判断は慎重にならざるを得ません。使い勝手が大きく変わってしまうと、なじめない社員からは不満の声が上がるでしょうし、何よりも日常の仕事がスムーズに回らなくなってしまうかもしれません。

 ここでの解決策は「なるべく使い勝手の変わらないクラウドストレージを選ぶこと」です。そうすれば、クラウドストレージに引っ越したことを意識することなく使え、もちろんクラウドストレージのメリットも得られて“一石二鳥”です。

そもそも「ファイルサーバーの使い勝手」とはどんなものか

 まずは、ファイルサーバーの使い勝手とはどういったものか、あらためて確認しておきましょう。

 皆さんはふだん、社内のファイルサーバーへどうやってアクセスし、そこにあるファイルをどうやって閲覧、編集しているでしょうか。ファイルサーバーをひんぱんに使う場合は、おそらくファイルサーバーをネットワークドライブとして接続したり、ファイルサーバーのショートカットを作成してデスクトップに置いたりしているでしょう。

 このネットワークドライブやショートカットをダブルクリックしてWindowsエクスプローラー(MacならばFinder)で開けば、手元のPC上にあるフォルダと同じようにファイルが見え、ファイルをダブルクリックすればそのままアプリケーションで開けます。ファイルの内容を編集して保存すれば、ファイルサーバーにあるファイルが書き換わります。

 このように、手元のPCにあるファイルと同じように扱えて便利なのが「ファイルサーバーの使い勝手」です。それではクラウドストレージはどうでしょうか。

 Webブラウザを使ってクラウドストレージにアクセスする場合は、ファイルのアップロード/ダウンロードや共有などはできますが、PC上のアプリケーションで直接ファイルを開き、編集する操作はできません。PC上のアプリケーションで編集したい場合は、いったんファイルをダウンロードし、編集/保存して、再度アップロードするという手間がかかります。

 これではファイルサーバーとは使い勝手が大きく変わってしまいますし、アップロードのし忘れで「最新のファイルがクラウドストレージにない」状況にもなりかねません。

「使い勝手」をクラウドストレージで再現する「フォルダの同期処理」

 そこで、多くのクラウドストレージサービスでは、ファイルサーバーの使い勝手を再現するための専用アプリケーションを提供しています。このアプリケーションは、手元のPCとクラウドストレージとの間で「フォルダの同期」という処理を行います。

 「フォルダの同期」とはどういうことでしょうか。Dropboxを例に説明します。

 Dropboxのアプリケーションをインストールすると、PC上にはDropbox用の新たなフォルダが作成されます。アプリケーションは、このDropboxフォルダがクラウドストレージにあるユーザーのフォルダと常に同じ内容になるよう、バックグラウンドで自動的に処理を行います。

 たとえば、ユーザーが何か新しいファイルをDropboxフォルダに入れると、アプリケーションは即座に、そのファイルをクラウドストレージにコピー(アップロード)します。また、Dropboxフォルダ内のファイルを書き替えると(アプリケーションで編集、保存すると)、クラウドストレージにあるファイルは上書き更新されます。その逆に、クラウドストレージ側のファイルを書き換えれば、PC上のファイルも自動的に書き換わります。PCとクラウド、2つのフォルダを常に同じ状態に保つ、これが「フォルダの同期」処理です。

クラウドストレージと手元のPCの間で行われる「フォルダの同期」

クラウドストレージの使い勝手を左右する「同期処理のスピード」

 こうした仕組みによって、ユーザーはDropboxフォルダにあるファイルを、ふだんどおりアプリケーションで開き、編集し、保存できますから、ファイルサーバーの使い勝手と変わらないかたちでクラウドストレージが利用できます。特別に「クラウドストレージを使っている」と意識しなくても使えるでしょう。

 それでは、こうした仕組みを持つクラウドストレージサービスであれば、どれでも使い勝手は同じなのでしょうか? 答えは「NO」です。クラウドストレージどうしで比較する場合は、フォルダの同期処理の「スピード」が重要なポイントになります。

 会社内の部署やチームで共有フォルダを作成して共同作業を行う場合、誰かが手元のPCで追加したり編集したりしたファイルは、すぐにクラウドストレージ(共有フォルダ)に同期されるのが理想的でしょう。画像など大量のファイルを一度に共有したり、映像やCADなど大容量のファイルをやり取りしたりする業務では特に、同期処理のスピードによって共同作業のスムーズさに大きな違いが出てきます。

 この同期処理のスピードは、クラウドと接続するインターネット回線のスピードだけでなく、同期アプリケーションが採用する技術や処理方法の違いにも大きく左右されます。後者の処理スピードにおいて、強みを持つのがDropboxです。

 Dropboxでは独自の技術で同期処理を高速化しており、大量のファイルや大容量のファイルを追加した場合でも、短い時間で同期処理が完了します。実際に「同期のスピードが速く、ストレスがないからDropboxを選択した」という導入企業の声もよく聞かれます。

 数あるクラウドストレージサービス間でどのくらい同期処理のスピードに差があるのかは、実際に試して、比べてみることをおすすめします。現実の業務シナリオに沿って試用してみることで、そのスピードがどれだけ使い勝手に影響を与えるのかもわかるでしょう。

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