グーグルは6月19日、「AIで日本のさらなる可能性を~Google for Japan 2024~」と題したイベントを開催した。2027年までに全国47都道府県で生成AIモデルの実装、AI人材を育成し求人と求職のミスマッチによる人材不足の解決、地域社会が抱える課題解決を目指すなど、グーグルの新たな取り組みを発表した。
東京大学松尾・岩澤研究室とパートナーシップ
47都道府県の架台を生成AIで解決
同イベントには東京大学の松尾教授が登壇し、グーグルとのパートナーシップにいたった経緯を説明した。 2023年9月に大規模言語モデルを実際に開発できる人材育成を目的にLLMの講義を実施し、受講生2000人のうち660人が修了した。これはLLMを実際に作ることができる人材が660人誕生したということになる。しかし、実際に開発をするにはGPUが必要になり、そこでグーグルに相談に行ったことが縁となっているとのことだ。
現在、日本を取り巻く状況はなかなか厳しく、AI人材が圧倒的に不足している。今回のパートナーシップでは同研究所のコース修了生とグーグルのエンジニアが協力し、県の課題解決を支援する生成AIのモデルを構築し、その実装を通してAI人材育成に貢献するという。
仕事の生産性を上げるためのAI活用法を学ぶ
先着1万名無料「Google AI Essentials」日本語版
仕事で生成AIを活用し、キャリアアップを目指したい人に向けたグーグル独自の資格認定プログラム「Google AI Essentials」の日本語版コース(有料)を公開した。生成AIに関する事前知識は不要で、AIスキルが学べるという内容。AIの基礎知識からビジネスへの応用までを10時間以内で学ぶことができるものである。本コースはグーグルが主幹事を務める日本リスキリングコンソーシアムを通して、コンソーシアムの新規会員を対象に本プログラムを無料受講できるアカウントを先着1万名に配布する。
そのほか、健康・医療分野におけるAIの活用、国内の大学や研究機関を対象に情報セキュリティと暗号理論をテーマとした研究支援プログラム「Cybersecurity Research Award」の募集開始などについて紹介した。