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新規システムのハードウェア導入も約半年から約1か月に短縮見込み

インフラコストを約3分の1削減 PayPay銀行が「Dell APEX」導入

2024年06月18日 07時00分更新

文● ASCII

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 デル・テクノロジーズは、2024年6月17日、PayPay銀行の共通IT基盤を、従量課金型インフラサービス「Dell APEX(以下APEX)」で構築したことを発表した。

 PayPay銀行は、APEXでの共通IT基盤の構築によって、「導入からの10年間のインフラコストを、数億円相当の約3分の1削減」、「新規システムのハードウェア導入期間を、約半年から約1か月に短縮」といった運用効果を得られる見込みだという。

「Dell APEX」採用の背景

 PayPay銀行は、多くのシステムをパブリッククラウドで運用している一方で、勘定系システムや外部機関との連携などを担う周辺システムは、セキュリティや安定性の確保、システム間連携の観点からオンプレミスで運用していた。しかし、この周辺システム群は、個別の物理サーバーで構築されているため、インフラ更改に掛かるコストや定期的なリプレース作業が大きな負担になっていたという。

 これらの課題を解決すべく、PayPay銀行は、新たな共通IT基盤への仮想統合を決定。2022年に、デル・テクノロジーズのHCI製品「Dell VxRail(以下VxRail)」を採用した。しかし、その後の共通IT基盤のさらなる増強において、「インフラ調達に伴う初期投資をいかに軽減するか」という新たな課題が浮上したという。

「Dell APEX」採用の3つの理由

 PayPay銀行が、共通IT基盤にDell APEXを採用した決め手は以下の3点となる。

 ひとつ目は、数年おきの物理サーバー更改の負荷が軽減されるため、従来の手法と比べて大幅なコスト削減が見込まれること。

 2つ目は、オンプレミスの形態を維持しつつ、クラウドサービスのように利用できるため、急激な需要増を見込んだ余剰なリソース確保が不要となり、新規システム構築の際の調達リードタイムも短縮できること。

 3つ目は、ハードウェア更改の検討作業から解放され、人的リソース不足を補える「レジデンシーサービス」や専任のサービスアカウントマネージャーによってサポート窓口が一本化されることだ。

「Dell APEX」導入効果

 PayPay銀行は、APEXの導入で、サーバー、ストレージ、ネットワーク、HCIなどのコンポーネントを自在に組み合わせ、利用した分だけを月額費用で支払う運用へと移行。初期費用を確保する必要がなくなり、突発的な需要増大にも迅速に対応できるようになったという。

 導入から10年間でインフラコストを約3分の1削減することが見込まれており、金額に換算すると数億円単位のコスト削減となる。

 また、新規システムも、共通IT基盤上に仮想サーバーを立てるだけで導入できるようになり、約2~3週間で稼働を開始できる。アップデートやインフラ更改もシステムを停止することなく行えるようになった。実際に、先行して購入した4ノードに加え、合計14ノードのVxRailをAPEXで追加調達し、2023年12月より本番稼働を開始しているという。

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