慣れが必要だが、ケータイ的なキー入力は可能
物理キーを使ったケータイ的な文字入力は可能だ。ただし、少々慣れが必要となる。全角など文字種切替は物理ボタンでできるのだが、文字入力時のみの動作で、状態によっては違うアプリが立ち上がることもあるからだ。
また、画面上にキーボードが表示されることもあり、こうした事態になっても慌てずに元に戻してキー入力を続けるのには慣れが必要。ボタンの押し方によってはアプリが終了したり、意図せずに切り替わったりすることもある。慌ててホームボタンや終話ボタンを連打すると、裏でアプリが実行され続けてしまうこともあり、余計に混乱する。
入力時に画面にキーボードが出た場合は画面上のキーボードのアイコンをタッチすれば最小化して引っ込める。反対にまた物理ボタン入力時にキーボードアイコンをタッチすれば、画面上にもキーボードを表示できる。
そして、SMSのアプリやLINEなどを使うとき、メッセージを入れたあとの送信ボタンに相当する物理ボタンがない(画面をタッチすればいいだけだが)。ちなみに物理ボタン利用時に改行を入力する際は「OK」ボタンを押す。
説明書にこれらのことについて詳しく書いておらず、実際に操作したり、ネットを検索したりして、大体わかってきた次第だ。本機独特の操作になる物理ボタンによる入力については、もう少し説明が欲しかったところだ。
スマホに慣れない人はシンプルホームで
通話とSMSだけ使うのがよさそう
もし、現時点でスマートフォンを使っていない人が、3Gケータイからの移行として本機を考えているのなら、正直言ってオススメはしにくい。従来型ケータイ自体は、LTE対応タイプが普通に販売されているからだ。
LINEを使いたい、昔からのキャリアメールを「メール持ち運び」に変更して、キャリアフリーで使いたいといった、スマートフォンでしか不可能なことのために移行を検討しているのなら、周囲がサポートできるiPhoneなどにしたほうがいいだろう。物理キー入力に対応したことによる本機独自の操作性は、スマートフォンに慣れた人でも混乱する。誰も助けられないということになりかねないからだ。
そして、3.5型という画面は小さい。写真や動画の表示で、特にシニア層には辛いだろう。スマートフォンの操作に慣れておらず、今後も積極的に慣れようとしない人であれば、本機の設定アプリから極めてシンプルなホーム画面「シンプルホーム」に切り替えて、通話とSMSのみという状況で使うのがよさそうだ。
マニア的には貴重な物理2枚SIM対応もうれしい
通話に便利なのは間違いない
一方で、Mode1 RETRO IIは、マニアがノスタルジック的に使うのなら非常に面白いスマートフォンだとも思っている。
なぜなら、通話がしやすいのはもちろんのこと、物理2枚SIMの貴重な機種でもあり、LTEだけの対応(5G非対応)にはなるもののテザリング機としてモバイルルーター風の使い方も可能だ。パフォーマンスも明らかなローエンドではないため、そのほかの用途でも現在のところ普通に利用できる。
買いやすい価格で、比較的コンパクト。折りたためば誤操作の恐れも少ない。カバンに放り込んでおく予備機として、おもしろい1台となるかもしれない。
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