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「ビジネスモデル」「テクノロジー」「組織/人材」という3つの観点で説明

NECがDX事業の新たな価値創造モデルとする「BluStellar」とは

2024年06月05日 07時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 NECは2024年5月30日、DX事業における新たな価値創造モデルとして「BluStellar(ブルーステラ)」を発表した。これまでの「NEC Digital Platform」を進化させ、新ブランドとして展開。これを「中期経営計画達成に向けた成長エンジン」と位置づける。

 NECでは、BluStellarの事業推進組織を約400人体制で新設するとともに、約100人体制のAIコンサルタントを配置してDX事業を強化する。さらに、BluStellaの共創パートナーとして約400社と連携するほか、社内デジタル人材を2025年度までに1万2000人に拡大する計画も打ち出した。

「BluStellar」が実現する価値

NEC 取締役 代表執行役社長兼CEOの森田隆之氏、NEC Corporate SEVP兼CDOの吉崎敏文氏

BluStellarは「NECが自らやってきた変革実践の集大成」

 NECでは2023年度に、コンサルティングから製品サービス、デリバリー、マーケティングまでの機能を一元化した「デジタルプラットフォームビジネスユニット」を、グループ横断組織として設置した。同ビジネスユニットは、およそ3万4000人の体制である。

 今回は、この組織の中にBluStellarの事業推進組織を新設し、各ビジネス部門や横断組織と連携しながら、DXを加速させる製品やサービスを企画/開発していく。さらに、マーケットに特化したDXを推進するために、ビジネス部門ごとにBluStellarのアンバサダーを配置。あらゆる領域の顧客に伴走し、変革を推進していく構えだ。

 NEC 取締役 代表執行役社長兼CEOの森田隆之氏は、BluStellarの狙いについて「NECが持つ技術、人材、知見のすべてをBluStellarに結集し、お客様のビジネス変革を加速させ、新たな価値創造へと導く。経営アジェンダを起点とし、価値創出へと向けた構想から実装までを担い、お客様と社会のDXを成功に導く」と説明する。

 また、NEC Corporate SEVP兼CDOの吉崎敏文氏は、「BluStellarは抽象的な概念ではなく、ソリューションでもない。NEC自らがやってきた変革の実践を集大成したもの」だと説明したうえで、「BluStellarによって、NECは従来型のシステムインテグレーターから『System Value Driver』へと進化する」と述べた。

システムインテグレーターから「システムバリュードライバー」へ

 ちなみに、BluStellarという名称はイタリア語で「青い星」を意味している。吉崎氏は「夜空で最も明るく輝く星のように、人々と社会が進むべき目印となる星として、お客様や社会をリードしていく存在になりたいという想いを込めた」と説明した。さらに語末に「r」をつけることで、主役のような意味合いを付け足したという。

ビジネスモデル:AIのフル活用によるビジネスプロセス変革

 発表会では、BluStellarの取り組みを通じたNECの進化目標について、「ビジネスモデル」「テクノロジー」「組織/人材」という3つの観点から説明がなされた。

BluStellarが狙う進化

 ひとつめの「ビジネスモデル」では、AIをフル活用したビジネスプロセス変革「AI for all Process」を打ち出している。具体的には、戦略コンサルティング、サービスデリバリー、運用・保守のすべてのプロセスにAIを活用していく。

 「NECでは、すでに300の業務にAIを活用し、200の製品およびサービスにAIを利用している。プロセスにおいて、AIを適用することで、効率的な導入を実現でき、それらに関する知見を蓄積できている」(吉崎氏)

 戦略コンサルタント人材については、2019年にゼロだったものを現在は700人まで増やしており、2025年には1000人規模に拡大する計画を打ち出している。今回は新たに、700人のうち100人を「AIコンサルタント」として、データサイエンティストの知見を活用した企業の構想策定を行う方針を明らかにした。

 「企業の構想策定においては、データを理解した専門家が必要。データに精通したAIコンサルタントと、業務知識を持つ戦略コンサルタントとの掛け合わせにより、構想策定から実装までのスピードを速め、新たな価値を生むことができる」(吉崎氏)

 また、プロセスマイニング技術を持つ独Celonisとの協業を強化し、NECが開発する生成AIの「cotomi」との連携により、業務プロセスの最適化も促す。Celonis CEOのバスティアン・ノミナヘル氏は「cotomiとCelonisのプロセスインテリジェンスの統合によって、多くの企業がプロセス最適化の機会を特定し、ビジネス変革を加速できる」と述べた。

 さらに、NECが開発したオープンソースの「Exastro」により、SIを自動化し、デリバリースピードの向上に取り組んでいる例も紹介。「属人的な作業を自動化することで、クラウド環境の構築に数日かかっていたものを半日に短縮できている」とした。

Celonisとの協業強化によるコンサルティングの高付加価値化、「Exastro」によるSIデリバリースピードの向上を紹介

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