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“AI生成映画”ついに映画祭に登場 OpenAI「Sora」使用

2024年06月04日 11時30分更新

文● 田口和裕

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 現地時間6月5日から16日まで、ニューヨークで開催される「トライベッカ映画祭」において、OpenAIの動画生成AIモデル「Sora」を使って制作された短編映画が上映されることがわかった。

5人の映画監督がショートフィルムを制作

 2月15日にOpenAIが発表したSoraは、入力したテキストに基づいて動画を生成できる最新の動画生成AIモデル。

 従来のモデルが数秒程度の短いクリップしか生成できなかったのに対し、Soraは最大60秒の動画を一度に作成できるため、動画コンテンツ制作の可能性を大きく広げるものとして注目されている。

 トライベッカ映画祭(Tribeca Film Festival)は、2001年に俳優のロバート・デ・ニーロ、映画プロデューサーのジェーン・ローゼンタール、そしてクレイグ・ハトコフによって設立された比較的新しい映画祭だが、今では「サンダンス映画祭」や「サウス・バイ・サウスウエスト」と並び、アメリカ最大の映画祭の一つとなっている。

 今回の映画祭では、サンダンス映画祭でグランプリを受賞した「Nanny」のNikyatu Jusu監督を含む5人の映画監督が、非公開のSoraモデルに早期アクセスし、短編映画を制作した。

 これらの作品は、6月15日に実施される「SORA Shorts」と題されたショートプログラムで上映される予定で、上映後には製作者たちとの対談も実施される。

人間とAIが協調して表現を生み出していく時代へ

 OpenAIは最近、「Vox Media」「The Atlantic」「News Corp.」「Reddit」「Dotdash Meredith」などの大手メディア企業と次々に提携し、AIモデルのトレーニング用にコンテンツを提供する契約を結んでいる。同様の動きは、メタやグーグルでも見られ、AIを活用したコンテンツ生成の未来は確実に近づいている。

 一方で、俳優のスカーレット・ヨハンソンが、OpenAIに声を無断で使われたと主張するなどさまざまな課題も浮上している。

 トライベッカ映画祭での「Sora」短編映画の上映は、クリエイターとAIが協調し、新たな映像表現を生み出していく時代の幕開けを告げる象徴的なイベントになるかもしれない。

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