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中間質量ブラックホール形成過程をシミュレーションで解明=東大

2024年06月04日 06時54分更新

文● MIT Technology Review Japan

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東京大学などの研究チームは、球状星団の形成過程で、星の合体から超大質量星を経て中間質量ブラックホールが形成されることを数値シミュレーションにより明らかにした。

東京大学などの研究チームは、球状星団の形成過程で、星の合体から超大質量星を経て中間質量ブラックホールが形成されることを数値シミュレーションにより明らかにした。 これまでの観測によって存在が明らかになったブラックホールの多くは、太陽の質量の100倍以下の恒星質量ブラックホールか、太陽の10万倍以上の質量を持ち銀河の中心にある巨大ブラックホールである。そのため、太陽の数百から数万倍の質量を持つ「中間質量ブラックホール」の存在の有無が長年議論となっている。 研究チームは今回、新規に開発した計算手法により、球状星団の形成過程を星一つひとつまで数値シミュレーションで再現。その結果、形成中の球状星団の中で星が次々と合体することによって太陽の数千倍の質量を持つ超大質量星が形成されることがわかった。さらに、星の進化の理論に基づいた計算によって、この超大質量星は後に太陽の数千倍の質量を持つ中間質量ブラックホールへと進化することを確かめた。 中間質量ブラックホールは、恒星質量ブラックホールと巨大ブラックホールを結ぶミッシングリンクであり、中間質量ブラックホールの一つの形成過程を示せたことは、巨大ブラックホールの形成過程を理解する上で重要な意義があるという。研究論文は、サイエンス(Science)に2024年5月30日付けで掲載された

(中條)

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