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ソニーがブラビアの2024年モデルを更新、Mini LEDを積極的に推進

2024年07月12日 10時00分更新

文● ASCII

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各機種が共通して持つ機能

 画質面のポイントは、プロセッサーXRの活用をさらに進めて高画質化を目指していること。特に映像の認識処理の向上を図っている。具体的には「緑色の検出」「顔検出」の強化だ。緑色の検出では単純に緑色のエリアを認識するのではなく、木かどうかまでを含めて認識して実体感、立体感、精細感を上げる処理を加える。顔検出についても、正面だけではなく、横から見たり、ズームしたりした状態、さらには大人数がフレームに収まっている状態でもしっかりと顔の部分を認識し、その色合いや表情を伝えられるようにしている。

パネル輝度の違いによって、画の華やかさに違いが出る。赤の色再現の濃厚さに加えて、写真では伝わりにくいが、靴に付けられた装飾の輝きなどではかなり高い輝度が出ていて、全体のコントラスト感や鮮やかさが増している。

 新モデルと旧モデルの違いを中心にさまざまなコンテンツで比較した場合、例えば、ゴルフ中継のフィールドなどの緑の多い画の表現の違いは明確だ。グリーンの部分のグラデーションのきめ細かさであったり、グリーンとフェアウェイの芝目の対比であったりと、描き分けについて新旧の違いは大きい。全体に緑は従来よりも濃厚な再現となり、他社の製品と比べても明るく感じられる。加えて、輝度の向上は風景において、山の岩肌や遠景と近景の距離の差による立体感、奥行き感の再現などディティール再現の違いにも効いてくる。XRの進化の影響は人間が意識しやすいちょっとした部分に効いてきそうだ。
 

右が従来モデルのX95L、左が新モデルのXR90。肉眼で見るとより明快だが、XR90の画は全体に明るく、緑が鮮やかで、人の顔も健康的に見えた。

 さらに、「スタジオキャリブレーテッドモード」(Studio Calibrated Mode)の対応サービスも拡充した。これはもともとNetflixに最適化した映像モードとして始まっているが、その後、IMAX EnhancedやDTS音声への自動切換えができる「SONY PICTURE CORE画質モード」が追加され、さらにAmazon Primmeビデオ向けに、映画だけでなくスポーツ中継など様々なコンテンツを部屋の環境に合わせて最適化して表示できる「Prime Videoモード」が新しく追加された。Amazonが提供している画質APIを利用して、コンテンツの種類を判別し、それに合った映像設定を選択するもののようだ。

Prime Videoモード

 AIを活用して人の声の成分だけを抽出できる「ボイスズーム3」も強化ポイント。動画コンテンツ内の音声から、声の成分だけを認識・抽出して、その声だけを好みの音量に調節できる機能だ。具体的には、歓声が大きなスポーツ観戦で聴きにくくなりがちな実況の音声を調節したり、声を聞き取りにくく感じている高齢者などに便利な機能と言える。

 ちなみに、こういった機能は声を強調することが主眼になりがちだが、ボイスズーム3では、抽出した人の声を敢えて落とし、スタジアムの歓声だけを大きくすることもできる。また、サウンドバーから出る音をテレビ側から調整できるのも特徴だ。

ボイスズームの調節はクイック設定から呼び出せる。

 サウンドバー連携では、テレビ内蔵スピーカーからも音を出すことで、声などの定位位置を画面に合った高さにできる「Acoustic Center Sync」も強化。自動でテレビとサウンドバーの音響調整をし、より一体感のある音声が楽しめるようにしている。

 「ブラビアコネクト」アプリを通じて、スマホとテレビをペアリングし、スマートフォンを使ったテレビ操作も可能となった。このアプリでは、サウンドバーの音質設定の変更もできるが、テレビも一貫して操作できるため、より統合感が高まる。

 付属リモコンも変更され、専用ボタンに「FOD」が追加されている。代わりに「My BRAVIA」の位置が下部に変更し、停止キーを省くなどレイアウトに調整が加わった。エコと言う観点では、再生プラスチック材料の割合も増やしている。

新旧の付属リモコン

My BRAVIAの位置が下部に変更となり、停止ボタンが省かれた。

 従来機種同様、「BRAVIA CAM」を接続すると、自動が画音質調整が可能となる。環境光による自動調整機能で、光や壁の反射を加味した画質調整をカメラを使って簡単にできる。「PSリモートプレイ」では、接続したブラビアの通信機能を活用して他の場所からPSを遠隔操作できる。入力設定に最初から登録されているため使いやすい。

BRAVIA CAM

 デザイン面では、4ウェイスタンドを装備。従来も3ウェイスタンドとして、外側に広く、内側に狭く、さらにサウンドバーを置けるよう外側に広くしてで高さも上げるポジションが選べたが、新機種では内側スタンドでサウンドバーを置ける高さを確保するポジションも用意している。狭いテレビラックで、かつ奥行きが取りにくい環境で有効だ。サウンドバー側にスペーサーを入れて、底を少し持ち上げることで、テレビの脚をサウンドバーの下に潜り込ませるという工夫がある。

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