24時間を走り抜けた様々なクルマたち
富士24時間レースはスターティンググリッドへのコースインのカウントダウンから始まります。ほかのスーパー耐久シリーズでもカウントダウンはありますが、今年の富士24時間レースではスーパー耐久イメージガール「SWISH」と入場者の中から選ばれた子供たちによるカウントダウンが実施されたのです。
スターティンググリッドの先頭には総合優勝のトロフィーが飾られ、台座には歴代の総合優勝チームのプレートがはめ込まれています。
ポールポジションは香港から初参戦のCraft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3。フロントローには昨年の優勝車である中升 ROOKIE AMG GT3も並びます。
15時少し前にフォーメーションラップが始まり、隊列を成して1周を回ってくると、いよいよ24時間レースのスタートです。
ホールショットこそCraft-Bamboo Racing Mercedes-AMG GT3が獲りますが、その後のレースをリードしたのは中升 ROOKIE AMG GT3。中升 ROOKIE AMG GT3はSUPER GTのGT300クラスでグッドスマイル 初音ミク AMGをドライブする片岡龍也選手、LEON PYRAMID AMGをドライブする蒲生尚弥選手というメルセデスAMG GT3マイスターたちがドライバーに名を連ねているチームです。
また、今シーズンで注目したいのが2L ターボ相当の4WDかFFが参戦するST-2クラス。これまでGRヤリスとランサーEvo Xの戦いの中に、743号車 FL5 CIVIC Type R「Honda R&D Challenge FL5」が1台のみで孤軍奮闘。昨年は最終戦富士で優勝して2023年のクラスチャンピオンとなりました。
そのせいか、今年はFL5 CIVIC Type Rが3台も増えて総計4台という大勢力でスーパー耐久に臨んでいます。
また、ST-Qクラスではカーボンニュートラル燃料を使用したFL5 CIVIC Type R「Honda CIVIC TYPE R CNF-R」も参戦し、総計5台が走ることになりました。
花火にキャンプに音楽フェス!
レース観戦の楽しさが大きく膨らむ24時間レース
午後7時を過ぎると陽は完全に落ち、ヘッドライトが頼りのナイトセッションとなります。富士スピードウェイの夜間照明は1つのこだわりを持って設計されており、それが赤く焼けるブレーキローターが見えること。
F1のシンガポール戦の様な明るい照明では、ブレーキローターの焼ける様子は見えません。適度に暗めにしてこそ、幻想的なマシンの様子がわかるのです。
また後続車のヘッドライトや先行車のテールランプなどで浮かび上がるレーシングマシンというものを魅せるという効果もあり、海外の24時間レースに比べると幻想的なマシンの姿を見ることができるようです。
富士24時間レースでは、夜通しの観戦にキャンプを推奨していました。今回で7回目を数える24時間レースでは、これまでの経験を活かした観客の皆さんがテントを張っての観戦している姿がこれまで以上に増えていました。むしろグランドスタンドを見るとガラガラで、ほとんどの方はコースサイドのテントから見るという、この大会ならではの独特の観戦スタイルが確立されることとなりました。
そして20時を過ぎると恒例の花火大会。打ちあがる花火の下をレーシングマシンが走るというレースは世界を見渡しても富士24時間レースだけではないでしょうか? また今年は音楽フェスも併催され、国内屈指のDJが長時間お客さんを楽しませました。
総合優勝は中升 ROOKIE AMG GT3で2連覇達成!
この24時間レースを制したのは 中升 ROOKIE AMG GT3。危なげない走りで24時間を走り切り、773周で優勝を果たしました。
ST-5クラスに次いで参戦台数の多いFIA GT4マシンによる激戦のST-Zクラスと、2.4LまでのFRスポーツで競われるST-4クラスの両方で優勝したシェイドレーシングは、2台並んでのデイトナフィニッシュでキメてきます。
こちらも激戦だったST-2クラスは、ENDLESS GRヤリスが優勝。クラス最多エントリーのFL5 CIVIC Type RではHonda R&D Challenge FL5が3位で表彰台を獲得しています。
今年も大いに盛り上がった富士24時間レース。来年もまた激しい戦いの中で素晴らしいドラマが繰り広げられることでしょう。この観戦体験は一度見たら間違いなくハマります。ぜひ一度は富士スピードウェイでキャンプをしながらご覧ください。