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プライムエディターのDNA逆転写過程を解明=東大・MIT

2024年05月31日 17時51分更新

文● MIT Technology Review Japan

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東京大学とマサチューセッツ工科大学の研究グループは、ゲノム編集ツール「プライムエディター」のDNA逆転写過程を解明した。プライムエディターは、DNAの片側だけを切るCas9と逆転写酵素を組み合わせたもので、特定のDNA配列を書き換えられる。これまでは、このツールがどのようにしてDNA配列を逆転写しているかの詳細が不明であった。

東京大学とマサチューセッツ工科大学の研究グループは、ゲノム編集ツール「プライムエディター」のDNA逆転写過程を解明した。プライムエディターは、DNAの片側だけを切るCas9と逆転写酵素を組み合わせたもので、特定のDNA配列を書き換えられる。これまでは、このツールがどのようにしてDNA配列を逆転写しているかの詳細が不明であった。 研究グループはクライオ電子顕微鏡を用いて、プライムエディターが標的DNAに対してガイドRNA(pegRNA)の配列を逆転写する際の立体構造を明らかにした。その結果、逆転写酵素は予想以上に余分に逆転写しており、最終的にはCas9との衝突で逆転写を終えることが示唆された。 この余分な逆転写は不要な配列の挿入を引き起こす可能性があることから、研究グループは得られた立体構造に基づく合理的な改変によって、不要な配列の挿入を防ぐ改変型のpegRNAを開発した。 研究成果は、2024年5月29日にネイチャー誌にオンラインで掲載された。

(笹田)

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