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東北大など、牛の胃の微生物と海藻でブルーカーボン生態系創出へ

2024年05月30日 18時11分更新

文● MIT Technology Review Japan

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東北大学を代表機関とする「浜通りブルーカーボンによるネガティブエミッションシステムの構築のためのコンソーシアム」は、牛の胃に共生する微生物と海藻の利用で「ブルーカーボン」生態系の創出を目指すプロジェクトに着手した。ブルーカーボンとは、藻場・浅場等の海洋生態系に取り込まれた炭素を指す。ブルーカーボンを隔離・貯留する海洋生態系は「ブルーカーボン生態系」と呼ばれ、CO2吸収源対策の新しい選択肢として注目されている。

東北大学を代表機関とする「浜通りブルーカーボンによるネガティブエミッションシステムの構築のためのコンソーシアム」は、牛の胃に共生する微生物と海藻の利用で「ブルーカーボン」生態系の創出を目指すプロジェクトに着手した。ブルーカーボンとは、藻場・浅場等の海洋生態系に取り込まれた炭素を指す。ブルーカーボンを隔離・貯留する海洋生態系は「ブルーカーボン生態系」と呼ばれ、CO2吸収源対策の新しい選択肢として注目されている。 今回のプロジェクトでは、沿岸海域における二酸化炭素吸収・固定を可能にすることを目指す。東北大学は、海藻を原料としたメタン発酵を、牛の第一胃に共生する微生物を活用して高効率化する技術を開発し、鹿島建設はそのプロセスから副生される栄養塩などを海藻育苗等に活用する技術の開発に取り組む。さらに、同技術を用いたエネルギー生産・資源循環利用によるCO2削減効果を調査し、ブルーカーボン生態系の創出、海業との連携による新ビジネス創出などに活用する。 同プロジェクトは、福島国際研究教育機構(F-REI)が公募した2023年度(令和5年度)「ネガティブエミッションのコア技術の研究開発・実証」委託事業として採択され、2024年3月29日付で委託契約を締結した。2029年度(令和11年度)までの予定で実施される。

(中條)

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