AMR(自律走行ロボット)用3D画像処理プログラムのライセンス提供をbestatが開始
bestat株式会社
法人向けにAIを活用した3D画像処理サービスを展開するbestat株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:松田尚子)は、自律走行ロボット用3D画像処理プログラムのライセンス提供を開始しました
■AMR(自律走行ロボット)用の3D画像処理プログラムのライセンス提供開始日 2024年5月 ■AMR(自律走行ロボット)用の3D画像処理プログラムについて 本プログラムにより、自律走行ロボット(AMR)に搭載された小型CPUが3D画像を処理し、ロボットの目の前に何があるかを伝達することで、ロボットは目の前の対象物に対し、掴む、押すなどの動作を遅滞なく行うことができます。 AMRに設置された深度カメラを用い、移動中であったとしても、特定の距離から、特定のサイズ・形状の物体を見た場合に、数秒以内に正確に物体を認識することができる機能を持っています。 今後、当社は本件のようなプログラム・ライセンシングビジネスの展開を進めていきます。
■本プログラムの開発の背景
ロボットは3次元のリアル空間で動作、作業を行うため、3D画像処理を必要としています。特に、動き回ったり、不規則に積まれた製品をピッキングする等応用的な動作が必要な場合には、3D画像処理が必須となります。
世界の先進国では、賃金の継続的な上昇と人手不足のためロボット化が進められて来ました。国内でも2024年問題への対応など、物流倉庫、製造業等様々な現場で、今後ロボット化が進むことが予想されています。
▲深度カメラで撮影した画像例(オフィス)
上:デプスデータの原データ
下:上記を見やすく色をつけたもの
本プログラムは、近年一般的に画像処理に用いられている深層学習ベースではなく、幾何的な3次元形状を深度カメラで取得し、ルールベースの処理を行うものです。
照明環境に左右されず、暗所でも高い精度と速度で処理ができる
訓練データの蓄積や、データマネジメントが不要である
という2点が特徴となります。本プログラムのライセンス対象としては、AMR(自律走行ロボット)の他にも、固定された位置で決められた動作を繰り返す作業ロボットや、固定の什器にカメラを埋め込むことが可能で、これにより画像認識することができます。
周辺の照明環境は問いませんが、認識対象はあらかじめ与えられたサイズと形状である必要があり、かつ認識対象が十分に大きく見えるようにカメラとの距離もあらかじめ想定の範囲内に収まっている必要があります。認識対象のサイズと形状が何種類もある場合は、プログラムに改良を加える必要があります。また、認識対象のサイズと形状が既知でなく種類だけが決まっている場合(例えば人、車)や認識対象とカメラの距離が定まらない場合、本プログラムのライセンシングの対象にはなりません。
■AMR(自律走行ロボット)用の3D画像処理プログラム事例第一号・株式会社FUJI事例「AMR『Rally』」:
▲AMR『Rally』
上:Rally本体
下:カゴ車を搬送するRally
▲深度カメラによるカゴ車の認識結果(イメージ)
株式会社FUJIが展開する小売業自動化のためのAMR『Rally』は、製品を載せたカゴ車を陳列棚の前まで搬送する際に、倉庫のような暗所でもカゴ車を自動で認識し、カゴ車の下に潜り込むことを可能にしたことで小売店舗のスマート化の実現に寄与しています。
カゴ車の認識に置いて印刷されたARマーカーをカゴ車の周囲四面に1枚ずつ貼ることでカゴ車を2Dカメラで認識することも可能です。しかし、カゴ車同士の接触等によりマーカーが削れたり落下した場合にはカゴ車の認識が出来なくなります。
本プログラムによって、どの方向からもカゴ車を認識することが出来るようになることに加え、倉庫にある柱や壁に置かれている固定の棚とカゴ車の区別もできるため、カゴ車の確実な認識につながります。
これらの機能の組合せにより、重いカゴ車を従業員が移動させる必要がなくなるため、身体的な負担が軽減され、従業員体験の向上にも繋がります。結果的に、小売店舗の生産性向上も期待できます。
なお、本プログラムの株式会社FUJIへのライセンス提供は、2022年に愛知県が愛知県企業とスタートア ップとのオープンイノベーション促進のために主催した「AICHI MATCHING(運営:株式会社eiicon)」がきっかけとなりました。
■AMR(自動走行ロボット)用の3D画像処理技術について
3D画像処理は、2D画像の処理に比べ次元が1つ増えるため、演算量が増え、高速処理が難しくなります。bestat株式会社は、このような高度な演算処理をライセンスできるソフトウェアとしてパッケージできるスキルと経験を要しております。今後も、世界の先進国では人手不足が続くと予想され、様々な業態で予想されるロボット化に必要な「目」をライセンス提供していきます。
■株式会社FUJIの概要
株式会社FUJIは、電子部品実装ロボットおよび工作機械を開発、製造、販売するグローバル企業です。1959年の創業以来、深化を続けるロボティクスと自動化技術を礎に、来たるべき未来を見据えてイノベーションを起こし続け、ロボットカンパニーとして持続的な成長を目指しています。FUJIは、製造、介護、物流など、ロボティクスが期待される分野において、「人々の心豊かな暮らしのために」驚きと感動を与える商品・サービスをお届けすることで社会に新しい価値を創造し、人々の笑顔があふれるサステナブルで心豊かな社会の実現に貢献します。
本社所在地:愛知県知立市山町茶碓山19番地
主要製品:電子部品実装ロボット、工作機械
代表者:代表取締役社長 五十棲 丈二
コーポレートサイト:https://www.fuji.co.jp/
■bestat株式会社の概要
bestatは、3D×AI に特化した東大発のスタートアップです。代表の松田は、経済産業省でイノベーション政策を担当した後、東京大学 松尾豊研究室で工学系博士号を取得したことをきっかけに、テクノロジーによる社会貢献を目指し2018年に立ち上げました。千葉道場ファンド、Deepcore、ココナラスキルパートナーズ、DGインキュベーションより投資を受けております。
上記の3D画像認識ソフトウェアのライセンスの根幹となる3D画像処理技術を活かし、3Dデータを自動生成できるサービスもクラウドで提供しています。このサービスでは、土木業、施工業、製造業、EC等多岐に渉る企業が、自社内で簡単に手間なく、高品質な3Dデータを、シンプルに一気通貫で自動制作・管理できるようになることを目指しています。
本社所在地:東京都文京区本郷6-25-14
主要業務:
3Dデータ・プラットフォーム提供
デジタルツイン構築
3D画像処理プログラムライセンシング
代表者:代表取締役 松田尚子
コーポレートサイト:https://www.bestat-data.com