新しくなった直列3気筒エンジンは燃費が良くて経済的
新型となり、大きく刷新されたのが、パワートレインです。全モデルのエンジンは、新開発の自然吸気 1.2L 直列3気筒 DOHCエンジンに一本化されました。その性能は、最高出力60kW(82ps)、最大トルク108Nm(11.0kgm)の実用性重視のものですが、上位グレードのエンジンには、マイルドハイブリッド機能を追加することで、性能と燃費を向上しています。
最も燃費に優れるマイルドハイブリッド仕様のMTモデルでは、25.4km/Lの低燃費を実現しています。もちろん、トランスミッションのメインはCVTですが、こちらもマイルドハイブリッド仕様(前輪駆動車)では、24.5km/Lという経済性の高さを誇ります。
安全のための先進機能も充実
課題とされた先進機能ですが、安全面ではセンシング機能をミリ波レーダーと単眼カメラを中心に構成する「デュアルセンサーブレーキサポートII」とすることで、検知エリアの拡大と機能向上を図りました。
さらに最上位グレードとなる「ハイブリッドMZ」では、電動パーキングブレーキを標準化することで、アダクティブクルーズコントロール(ACC)時の停車保持機能や、停車時のブレーキホールド機能が加わって利便性が高められています。さらにコネクテッド機能として、車載通信機による「スズキコネクト」と大画面のディスプレイオーディオが採用されています。
試乗車は最上位グレードとなる「ハイブリッドMZ」なので、スズキコネクトやディスプレイオーディオ、LEDフォグランプ、本革巻きステアリング、電動パーキングブレーキなど充実の装備。メーカーオプション設定も、ボディーカラーと全方位モニター付きナビゲーションシステムくらいという内容なので、フロアカーペットとETC車載器、ドラレコを装備すれば十分という仕様になっています。
3気筒エンジンを侮るなかれ! 加速の伸びがキモチイイ
試乗前は、平凡なスペックの3気筒エンジンを侮っていましたが、加速の伸びと軽快さにびっくり。マイルドハイブリッドのモーターアシストが良い仕事しています。サウンドこそ3気筒エンジンらしさを感じますが、課題となるエンジンからの振動もしっかりと押さえられています。これならば3気筒エンジンと気が付かない人もいるのではと思うほど。
もちろん、スイフト最大の魅力である走りの良さも健在。ステアリングは軽めながら、細やかな操作もしやすく、取り回しの良さとコントロール性を両立させています。さらに、硬めの味付けながら、不快な突き上げのない足回りと相まって、軽快なフットワークによるコーナーリングワークも楽しめます。
高速道路では、持前の走りの良さと空力の良いボディーを活かし、安定した走りを見せてくれました。その状況下で活躍し、ドライバーの疲労を軽減する全車速追従機能付のACCと、ステアリングアシスト機能も備わっています。まさに日常から週末まで楽しませてくれる小さなオールラウンドプレーヤーという仕上がりです。
ただ速度域が高まると走行音が大きくなるため、もう少し静粛性を高めてほしいのも本音。しかし、静粛性を高めるには、コストと車重の増がマストとなるため、そこは妥協すべきところかもしれません。
この連載の記事
-
第483回
自動車
【ミニバン売れ筋対決】ホンダ「フリード」とトヨタ「シエンタ」の良いところと微妙なところ -
第482回
自動車
これがBMWの未来! フラッグシップEVの「iX」は乗り心地良すぎで動くファーストクラス -
第481回
自動車
アルファ・ロメオのハイブリッドSUV「トナーレ」はキビキビ走って良い意味で「らしく」ない -
第480回
自動車
独特なデザインが目立つルノーのクーペSUV「アルカナ E-TECH エンジニアード」はアイドルも納得の走り -
第479回
自動車
レクサスのエントリーSUV「LBX」は細部の徹底作り込みで高級ブランドの世界観を体現した -
第478回
自動車
レクサスの高級オープン「LC500 コンバーチブル」は快適さのその先を教えてくれる -
第477回
自動車
BMWの都市型SUV「X4」は直6エンジンならではのパワフルな走りがキモチイイ! -
第476回
自動車
最新のマツダ「ロードスター」は乗った誰もが乗り換えを検討するレベルのデキの良さ -
第475回
自動車
EV=無個性ではない! BMWのEV「iX3」は剛性ボディーが魅力のミドルサイズSUV -
第474回
自動車
ルノーのコンパクトカー「ルーテシア E-TECH エンジニアード」は軽量でパワフルでスポーティー! -
第473回
自動車
ホンダの大人気ミニバン「FREED」に乗ってわかった5つの良くなったポイント - この連載の一覧へ