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旅の達人が伝える! スマートトラベラーへの道 第47回

ない、ない、ない!だけどおトクなヨーロッパの最新欧州LCC事情

激安で欧州旅がしたいなら、キングオブLCC「ライアンエアー」の“お作法“を知っておこう!

2024年05月15日 07時30分更新

文● 中山智 編集●こーのス

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チェックインはオンラインが基本
空港カウンター利用がとんでもなく高い

 チェックインのお作法も厳しいです。VuelingとeasyJetはオンラインチェックインができ、特にeasyJetは搭乗券もアプリやQRコードが使えるので、預け荷物がない場合はカウンターによる必要がありません。

 Ryanairも事前のオンラインチェックインが可能ですが、もしオンラインチェックインをせずに、当日空港カウンターでチェックインをすると有料となります。その料金はなんと55ポンド(もしくは55ユーロ)で日本円だと約1万8000円と運賃より高くなってしまうことも。

Ryanairの公式サイトにある追加料金表(https://www.Ryanair.com/us/en/useful-info/help-centre/fees)。実に細かく決まっています

運航情報をSMSで連絡してくれるサービスもありますが、これも2.99ポンド(約590円)と有料。ここまで細かく課金サービスがあると、感心してしまいます

 最近は公式アプリの電子搭乗券が有効になっていて、モロッコやトルコ、アルバニアなど特定の国の空港発着以外はプリントアウト不要ですが、 搭乗券をプリントアウトする場合、こちらもチェックインカウンターでお願いすると20ポンド(もしくは20ユーロ)で約3900円。A4用紙1枚を印刷するのに4000円近くかかる計算です。

Ryanairの公式サイトQ&Aページにも特定国の空港発着のみプリントアウトが必要と記載されています

 オンラインチェックインは、座席指定を購入していれば搭乗の60日前から、座席指定を未購入の場合は24時間前から2時間前まで可能。Ryanairを使う際は、スマートフォンに公式アプリをインストールして、絶対にオンラインチェックインを忘れないようにしてください。

オンラインチェックインをしても、渡航先に入国できるかどうかビザチェックをカウンターでする必要があるケースも。入国できない人を運ぶと、航空会社の責任で出発空港へ戻す可能性もあり、Ryanairはその費用を絶対払いたくないのでしょう……

運航コストを下げるため
羽田から成田くらい離れた空港を案内

 また、Ryanairは運航コストを抑えるため、大都市のメイン空港ではなく使用料の安い第2、第3の空港を使う路線が多く、今回のロンドン→セビリアもロンドン発の空港はロンドン・スタンステッド空港。ロンドンと冠がつく空港は6つありますが、ロンドン・スタンステッド空港はロンドン中心部から3番目に遠い空港で、ロンドン・ヒースロー空港からバスで1時間半ほど離れています。直線距離で約66kmなので羽田空港と成田空港くらいですね。

スリランカ航空が到着したロンドン・ヒースロー空港からバスでロンドン・スタンステッド空港へ。料金は31.10ポンド(約5980円)でした……高い(泣)

ロンドン・スタンステッド空港の出発エリアにあるRyanairのカウンター。Ryanairの本社はアイルランドですが、最大の拠点はこのロンドン・スタンステッド空港で、ここから欧州各地へと多くの便を運航しています

 運航にコストをかけないということに関して、Ryanairはさらに細かな点にも注力しています。例えば飛行機に搭乗する際は、使用料がかかるボーディングブリッジは使いません。ターミナルから徒歩でアクセスします。搭乗時のロンドンは雨が降っていましたが、そんなことはお構いなしです。またセビリア空港では、空港のかなり端っこに駐機。当然使用料のかかるバスなど用意されておらず、結構な距離を歩いて移動する必要があり、空港見学でもしているのかと思ったくらいです。

ロンドンでは雨の中をそのまま徒歩で搭乗

セビリアでは、空港外周を延々と歩いて入国審査の建物へ移動

 (次ページ:シートにリクライニング機能がない……そのぶん閉塞感もなし)

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