ドコモユーザーからすれば「サービスよりもまずは通信品質をなんとかして」が本音
一般紙などは今回の人事に対して「前田氏が社長に就任し、携帯電話会社からサービス会社へのシフトを加速させるだろう」と報じているが、ドコモユーザーからすれば「サービスよりもまずは通信品質を何とかしてほしい」というのが本音だろう。
ここ数年、NTTドコモは基地局の一部を売り払い、「インフラシェアリング」として他社と基地局を共有する道をあえて選んだ。
また、全国にドコモショップ網を維持するのも経営の重荷だと判断し、3割近いドコモショップを閉鎖し、オンラインショップ強化に舵を切った。
結果として、NTTドコモのネットワーク品質が低下し、都心だけでなく、地方などでも「NTTドコモがつながらない」という状況を招いた。
年配のユーザーなどは「近所にドコモショップがある安心感」からNTTドコモを使い続けていたはずなのに、そうしたユーザーの期待を裏切ることになってしまった。
確かに「ネットワークとショップ網への投資を抑えて利益を上げる」というのはNTTの成功体験なのだろう。NTTであれば競争相手はほとんど機能していないため、ネットワークに追加投資をせず、ショップを閉鎖しても、ユーザーが逃げてほかに行くということはない。
しかし、NTTドコモのいるモバイルの世界は、KDDIとソフトバンク、さらに楽天モバイルという強敵がユーザーを奪おうと、投資を惜しむことなくネットワーク品質を強化し、全国のショップで他社からユーザーを獲得しようと血眼になって営業を展開している。
「固定電話の勝ちパターン」をモバイルの世界に持ち込んでも、一切通用しないことに気がつかなかったのだ。
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