このページの本文へ

4つの新モデルを追加、「HPE Networking Instant On」ならば“適材適所”で選択できる!

自社に最適なWi-Fiアクセスポイントは? 選び方のコツをHPE Aruba Networkingのプロに聞いた

2024年05月28日 11時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

提供: 日本ヒューレット・パッカード(HPE)、アプローズ

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 HPE Aruba Networkingの「HPE Networking Instant Onシリーズ」は、エンタープライズ向けネットワーク機器の開発で培われた堅牢性と快適さを実現する一方で、クラウド/モバイルアプリ管理による運用管理の簡単さ、コンシューマー製品に負けない価格設定という魅力も合わせ持つ法人向けネットワーク機器ブランドだ。

 このHPE Networking Instant Onシリーズの最新製品として、2024年1月には3つ、さらに2月には1つの無線LANアクセスポイントが発表された。これらの追加により、現行のアクセスポイント製品ラインアップは合計で11モデルまで拡大している。

 社内ネットワークの新規導入や更新/増強を考える企業にとって、製品ラインアップの拡充は選択肢が増えてうれしい反面、「自社のニーズに最適な製品はどれなのか?」と迷いやすくもなってしまう。そこで今回は、HPE Networking Instant On製品を担当する中村裕也氏に、新製品4モデルの特徴をふまえつつ、「適材適所のアクセスポイント選び」を実現するポイントを聞いた。

「HPE Networking Instant Onシリーズ」アクセスポイントの最新ラインアップ

日本ヒューレット・パッカード Aruba事業統括本部 事業開発本部の中村裕也氏

小型/安価、Wi-Fi 6E対応、設置工事不要など、多彩な特徴の新モデル

 まずは、今年発表された4つの新モデルである「HPE Networking Instant On AP21」「同 AP22D」「同 AP32」「同 AP27」の特徴をそれぞれ見ておこう。なおいずれのモデルもWi-Fi 6/6E対応であり、PoEまたは電源アダプタによる給電が可能(※屋外向けAP27はPoE給電のみ)で、2年間の本体無償保証に対応している。

●HPE Networking Instant On AP21:コストパフォーマンスの高いWi-Fi 6対応モデル

 AP21は、Wi-Fi 6対応のコンパクトな天井取付型アクセスポイントだ。希望小売価格は2万9000円(税抜、以下すべて同様)と、HPE Networking Instant OnのWi-Fi 6対応モデルでは最も安価である。

 HPE Networking Instant Onでは、同じ天井取付型/Wi-Fi 6アクセスポイントとしてAP22(3万6000円)やAP25(5万4000円)もラインアップされいる。どれが適しているか、その選択ポイントは「アクセスポイントに接続するデバイスの台数」だと、中村氏は説明する。最大推奨接続デバイス数は、AP21が50台、AP22が75台、AP25が100台以上となっている。

 「利用しているデバイス数が50台に満たない小さなオフィスへの設置や、会議室など特定の部屋だけをカバーするために設置したい場合には、最も安価なAP21がおすすめです」(中村氏)

 ちなみに、HPE Networking Instant Onの各アクセスポイントで公表されている最大推奨接続デバイス数は、「同時に接続/通信した際でも快適に使えるデバイス台数」の上限を示している。したがって、実際に接続するデバイス台数からシンプルに最適なモデルを選ぶことができ、わかりやすくて安心だ。

●HPE Networking Instant On AP32:混雑の少ない6GHz帯で高速な通信ができるWi-Fi 6E対応モデル

 AP32は、HPE Networking Instant Onのアクセスポイントとしては初のWi-Fi 6E対応モデルである。希望小売価格は5万4000円と、Wi-Fi 6E対応にもかかわらず導入しやすく抑えられている。最大推奨接続デバイス数は75台だ。

 Wi-Fi 6Eでは、これまでの2.4/5GHz帯に加えて、新たに6GHz帯の電波も活用できる。6GHz帯は電波干渉源が少なく、2.4/5GHz帯のように混み合っていないので、低遅延/広帯域の安定した通信が期待できる。中村氏は「これまでの道路(2.4/5GHz帯)とは別に、利用者の少ない新しい高速道路(6GHz帯)ができたイメージ」だと説明する。業務のなかでクラウドサービス(SaaS)を多く使うオフィス、Web会議など動画通信が多いオフィスにおすすめだ。

 ただし、6GHz帯を使った通信を行うには、デバイス(PCやスマートフォンなど)の側もWi-Fi 6E以上に対応している必要がある。現時点ではWi-Fi 6E対応デバイスがあまり普及しておらず、いまWi-Fi 6Eアクセスポイントを導入すべきかどうか迷うことも多いだろう。

 中村氏は「過去の実績を見ると、Wi-Fiの新しいバージョンがリリースされた1~2年後に、それに対応したPCやスマートフォンが普及期を迎えます」と説明する。アクセスポイントの更新サイクルを考えると、いまの時点でAP32を導入しておけば、Wi-Fi 6E以上のデバイスが普及してきたタイミングですぐその能力が発揮できることになる。同時に、それらのデバイスが6GHz帯を使うことで5GHz帯の混雑も分散/緩和されるため、Wi-Fi 6E非対応のデバイスにもメリットが生まれる。

●HPE Networking Instant On AP22D:工事なしでも設置できる卓上設置型のWi-Fi 6モデル

 特徴的な形をしたAP22Dは、卓上設置/壁取付け型のWi-Fi 6アクセスポイントだ。工事なしで簡単に設置できるので、たとえば飲食店舗やレンタルオフィスにネットワークを後付け/一時設置するのに向いている。希望小売価格は5万円で、推奨接続デバイス数は75台だ。

 AP22Dのもうひとつの特徴が、1GbEの有線LANポート(ダウンリンクポート)を4つ備えていることだ(うち2ポートはPoE給電も可能)。たとえばWebカメラやプリンター、ネットワークストレージなど、有線LANで接続したいIoTデバイスをここに接続すれば、ネットワークに組み込むことができる。

 「HPE Networking Instant Onのアクセスポイントは、全モデルがメッシュWi-Fiに対応しています。これを生かせば、有線LANが敷設されていない場所にAP22Dを設置してメッシュに加えることで、その周辺に有線ネットワークを構築できます」(中村氏)

●HPE Networking Instant On AP27:屋外設置用アクセスポイントでもWi-Fi 6モデルが登場

 AP27は、屋外設置用のWi-Fi 6アクセスポイントだ。IP67の防塵・防水等級、マイナス40℃~50℃の動作温度という高い耐環境性能を持つため、カフェのテラス席のような場所だけでなく、プールサイド、テーマパーク、ゴルフ場といった、日光や風雨にさらされ続けるような場所にもWi-Fiエリアを拡張できる。

 中村氏は、AP27のポイントは「屋内用のアクセスポイントとまとめて管理できること」だと語る。施設内と施設外を1つのネットワークとして同じ画面から管理できる利便性に加えて、屋外の設置場所まで足を運ばなくても、リモートで稼働状態の監視やメンテナンス作業ができる点が便利だ。

コストパフォーマンスを最適化する「アクセスポイントの選び方」とは?

 ここまで紹介してきた4モデルを加えて、現在のHPE Networking Instant Onは合計で11モデルのアクセスポイントをラインアップしている。そこで、あらためて中村氏に「自社に最適なモデル」の選び方を説明してもらった。

 HPE Networking Instant Onの場合、次の手順で絞り込んでいけば最適なモデルが選択できるという。

●最適なアクセスポイントの選択手順
 (1)設置場所は屋内か、屋外か
 (2)対応したいWi-Fiのバージョンはどれか(Wi-Fi 5/6/6E)
 (3)アクセスポイント1台あたりの接続デバイス数は(50/75/100台)

 たとえば、(1)屋内で(2)Wi-Fi 6に対応した(3)75台接続のアクセスポイントと絞り込んでいけば、AP22(または卓上設置型のAP22D)を選べばよいという結論になる。このような手順で考えれば、悩むことも少ないだろう。

 「ひとつだけ注意点を加えるとすれば、建物の構造上、壁などの遮蔽物が多い場合にはWi-Fiの電波が届きにくくなります。1台のアクセスポイントで複数の部屋をカバーしたい場合は、(3)の選択時に1つの上位のモデルを選んでおくのがおすすめです」(中村氏)

HPE Networking Instant Onのアクセスポイントは「設置場所」「Wi-Fiバージョン」「接続デバイス数」から最適なものを選べる

 もうひとつ覚えておきたいのは「異なるモデルを混在させることで、購入コストを最適化できる」という点だ。HPE Networking Instant Onでは、1サイト(1つの建物やオフィス)あたり最大50台までの対応機器(アクセスポイントやスイッチ)をまとめて管理できる。サイト内に異なるモデルが混在していても問題はない。

 たとえばオフィス全体をWi-Fi 6でカバーしたい場合でも、場所によって接続デバイス台数には違いがあるはずだ。ここで「接続デバイス台数の多い執務スペースにはAP25を、接続台数の限られる会議室にはAP21を設置する」といった具合に“適材適所の構成”にすれば、購入コストを抑えることができるわけだ。もちろん、どのモデルでもHPE Networking Instant On経由で同じように管理や監視ができるので、運用管理の手間が増えることもない。

 なおHPE Networking Instant Onでは、アクセスポイントを接続するのに適したPoEスイッチも多数ラインアップしている。こちらも一括管理に対応しており、必要なポート数や給電容量に応じて“適材適所”の選択と構成ができる。AP32やAP25、AP22Dといった2.5GbEポートを備えるアクセスポイントとの接続用に、2.5GbEに対応したスイッチもラインアップされている。

ネットワークの運用管理を省力化できるHPE Networking Instant On

 ここまでは「最適なアクセスポイントの選び方」に重点を置いて説明してきたが、最後に、HPE Networking Instant Onそのもののメリットについても簡単に紹介しておこう。

 HPE Networking Instant OnのWeb GUI/モバイルアプリは、自社で設置したアクセスポイントやスイッチを一括管理できるクラウド管理ツールだ。IT管理者がアカウントを作成し、購入した対応機器を登録すれば、無料かつ無期限で使える。

HPE Networking Instant OnのWeb GUIとモバイルアプリ

 セットアップや監視、設定変更などの操作は、専用のモバイルアプリやPCブラウザのWeb GUI経由で行える。オフィスからでも外出先からでも、ネットワークの稼働状態を簡単に確認することができ、何かトラブルが発生していれば、個々の機器にまでドリルダウンして原因を把握し、再起動や設定変更を行える。

 複数台の機器を一括管理できる点も便利だ。たとえば、無線LANのSSIDやパスワードなどの設定は、一度設定すれば同じサイト内のすべてのアクセスポイントに適用される。アクセスポイントを増設(追加)した場合も、設定が自動的に適用されるのですぐに運用開始できる。

 構築したネットワークがどのように使われているのか、トラフィックの状況も可視化できる。どの接続デバイスがどの程度通信をしているのか、どのアプリケーションの通信が多いのかといったことが一目でわかるほか、アクセスポイントごとのトラフィック量や接続デバイス台数なども確認できるので、アクセスポイントの増強を検討するための材料としても使える。

 ほかにもファームウェア更新のスケジュール設定、ゲストWi-Fi、ネットワークの使用可能時間帯設定など、運用管理の省力化に役立つ機能を豊富に備えており、しかもクラウド管理ツールなので定期的なアップデートによって新機能が追加される。つまり、HPE Networking Instant Onは「使い続けるほど便利になる」ネットワーク製品なのだ。

* * *

 以上見てきたとおり、HPE Networking Instant Onは、小~中規模の法人ネットワークの構築や運用、そしてコストを「最適化」できる製品シリーズだ。もちろん新モデルはどれも注目に値するが、それ以上に「ラインアップが充実したこと」、特にWi-Fi 6アクセスポイントが出そろってユーザーの選択肢ができたことがうれしいところだ。

 今回お伝えした「選び方」を参考にして、読者の皆さんもぜひ、堅牢で快適なネットワークを構築していただきたい。

カテゴリートップへ

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード