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インフラ基盤が混在する現在、COOが語るハイブリッドクラウド戦略

“オンプレ回帰”のユースケースにも、HPEがGreenLakeプライベートクラウドにKVMの仮想スタック

2024年09月03日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 福澤/TECH.ASCII.jp

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 2015年の分社化以来、Hewlett Packard Enterprise(HPE)はハイブリッドクラウドを重要な戦略の柱に据えている。2015年当時の市場はパブリッククラウド一辺倒だったが、10年近く経った今では、ハイブリッドクラウドへの注目度が高まるなど、潮目が変わりつつあるように見える。

 HPEが提供するハイブリッドクラウドの最新機能や今後の計画について、ハイブリッドクラウド事業でCOOを務めるハン・タン(Hang Tan)氏に話を聞いた。

Hewlett PackardHybrid Cloud business unit COO ハン・タン(Hang Tan)氏

HPE GreenLake for Private CloudにKVMベースの仮想化スタックを追加、その理由とユースケース

ーーHPEのハイブリッドクラウド分野の最新の動きとして、「HPE GreenLake for Private Cloud Business Edition」にvirtualization capabilityとして仮想化スタックを加えました。KVMをベースにしたスタックですが、この機能について教えてください。

タン氏:virtualization capabilityは、HPE Private Cloudを利用するユーザーにフルの仮想化スタックを提供するものだ。パッケージやSaaSではなく、プライベートクラウドを採用したユーザーが利用できるもの(オプション)という位置付けだ。

 KVM(Kernel-based Virtual Machine)は15年以上前からオープンソースコミュニティで開発されてきた技術であり、広く利用されている。そのような背景から、(プロプライエタリな技術ではなく)KVMをベースとするのは理にかなっていると言える。業界標準の技術を採用することで、我々は差別化やビジネス上の価値を提供することに集中できる。virtualization capabilityでは、KVMにHPEのクラスタオーケストレーションなどを組み合わせており、エンタープライズのワークロードが求める性能や可用性を実現する。

 virtualization capabilityは現在プレビューで、2024年後半にHPE Private Cloud Business Editionの一部としてリリースする予定だ。

ーーBroadcomによるVMwareの買収が2023年末に完了し、ライセンスの変更などによる混乱が話題となっています。HPEのVMwareユーザーからはどのような声が出ているのでしょうか?virtualization capabilityはその代替となる選択肢を提供するということでしょうか?

タン氏:確かに、仮想化のロードマップを再検討しているユーザーは多い。

 ただし、我々がユーザーと話していて仮想化が話題となるのは、(VMwareに代わる選択肢だけでなく)より大きな意味で「ITのモダン化をどうやって進めるか」であることが多い。ユーザーが「クラウドネイティブを取り入れたい」「AIを取り入れたい」といったニーズを実現していくにあたって、我々は将来性のあるプラットフォームを用意する。他のワークロードも動かすことができる、柔軟性のあるプラットフォームを提供するというのが我々のメッセージだ。

ーーITのモダン化において、HPE GreenLake for Private Cloudのvirtualization capabilityはどのようなユースケースが考えられるのでしょうか?

タン氏:仮想化は汎用性が高く、さまざまなアプリケーションを動かすことができる技術だ。

 米国を中心に、クラウドの見直し、一部ではオンプレ回帰のユースケースがある。クラウドのコストが跳ね上がるようなワークロードについては、プライベートクラウドを活用するという動きだ。もちろん新規のワークロードをプライベートクラウドで動かすこともある。

 また、組織によっては環境が古くなり、統合・刷新を目的にプライベートクラウドを採用する動きもある。その一部として、HPEのvirtualization capabilityを利用することができる。

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