JPRiDE(ジェイピーライド)のイヤホン「model i ANC」が、家電批評誌でグランプリを受賞したというニュースが出た頃に、秋葉原のヨドバシカメラにいた。オーディオフロアのイヤホン売り場の店員さんにスマホの商品画面を見せて聞いたのだが、全く知らないし商品も置いていないとのことだった。
店頭にあれば速攻で衝動買いする気持ちで行ったのだが、見事に裏切られそれから忘れてしまっていた。それから何ヵ月かたった先月、昔からお世話になっているメディアの方から、一度使ってみてはとの話でメーカーから早速商品を送ってもらった。今回は例外的に「衝動買いできなかった!」アイテムの紹介だ。
オーディオには、デカいJBL4343Bを似つかわしくないウサギ小屋マンションの一室に置いていた1970年代からハマっていた。高校は軽音楽部で、今も細々とバンド活動をやってベースを弾いている。ここ20年ほどは大げさなオーディオからは足を洗い、リビングにはBang & OlufsenのCDが横一列に並んだお金持ち風オーディオにハマったが、これももうかれこれ数年は動かしたことがない。
その後もっぱらオーディオ装置はモバイル系だったが、大好きだったBang & OlufsenのDAP(Digital Audio Player)「BeoSound 2」が壊れてしまってからは、もっぱらスマホで聴くのが日常となった。ワイアレスイヤホンもいくつか持ってはいるが、実は今も10年ほど昔のAKGの有線ケーブル式K3003を愛用中だ。
パッケージデザインに驚いたmodel i ANC
だが序の口だった……
今回紹介するJPRiDEのmodel i ANCは、パッケージからして筆者が過去購入したことのあるイヤホンのパッケージデザインから大きく逸脱した変態系だ。パッケージ正面は1970年代によく目にしたサイケデリック系バンドのステージの背景動画の様なイメージで、イヤホン本体より先にそっちに目がいってしまった。
そしてパッケージの背面にはこれでもかと言うほど詳細に、おせっかいな音質設定(メイク)の名前が26種類も記載されている。後で取説をみて驚いたがこの「サウンドメイク」という名のプリセット音色の種類は、実は2倍以上の58種類だと知りサウンドメイクに賭ける同社の気迫に押し倒された。取説には「バカなのか?」という大きな文字のタグラインがあったが、「狂ってる!」というのが正直な印象だ。
パッケージを開けると製品コンセプトガイドのような小冊子とユーザーガイド以外にいろいろな印刷物がパラパラとたくさん出てくる。基本的にあまりマニュアルを読まない筆者だが、「12ヵ月メーカー正規保証」と「ご購入者様限定プレゼントキャンペーン」という2枚の名刺大の紙切れがやけに気になったが、取りあえずは使ってみることにした。
ドキュメント関係以外の同梱品はmodel i ANCのペア、専用充電ケース、充電用のType-A・Type-C USBショートケーブル1本、イヤーピースは出荷時に装着済みのペアとサイズ違いの予備5ペアの合計6ペア。まずは充電を開始。充電時間は120分で約7.5時間の音楽再生が可能らしい(ANCオフの場合)。
音楽を聴いている最中は左右のmodel i ANCイヤホンのタッチセンサー部分を指先タップや長押しで再生/一時停止、音量アップダウン、次曲・前曲へのスキップ、着信応答、通話終了、ノーマル・ANC・外音取込・風音軽減モードの切替など各種のアクションが可能だ。
筆者は現在、model i ANCの他、Nothing Phone (2)を使っていた頃に同時に衝動買いしたNothing Ear (2)やGLIDiCのイヤホンを2種類ほど別々のスマホたタブレット、モバイルPC専用再生イヤホンとして愛用している。日常の登場回数の最も多いのはmodel i ANCと技術コンセプトの類似した音質変更がアプリで可能なNothing Ear(2)だ。
Nothing Ear(2)は、専用アプリである「イコライザー」で聴力の劣化やお好みに応じた音質拡張設定で20Hz〜20KHzの音域でdBの±変更が可能だ。同様の対処を左右の聴力に細かく対応できる「AUMEO AUDIO」もこの聴力劣化補正の世界では老舗のヘッドホンアンプだ。
今回紹介するmodel i ANCは、再生音のより良い音へのメイクではなく好きなサウンドへのメイクをするために、「Sound Make」と名付けられたアプリを使用することが前提だ。筆者が最近最も愛用しているモトローラのmotorola razr 40に導入すべく、Google Playからアプリのダウンロード、インストールをし、Bluetooth経由でペアリングした。ペアリングは8台までのデバイス情報を保持可能だ。

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