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超巨大ブラックホールの周囲に2つのプラズマリングを発見=京大

2024年03月06日 06時55分更新

文● MIT Technology Review Japan

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京都大学の研究チームは、超巨大ブラックホール周辺に分布するプラズマガスに、これまで知られていなかった構造を発見した。超巨大ブラックホールを中心として、降着円盤からの高エネルギー照射の影響を受けやすく比較的低速に運動している領域と、影響を受けにくく比較的高速な領域の2カ所に、プラズマガスが同心円状に分布していることを明らかにした。

京都大学の研究チームは、超巨大ブラックホール周辺に分布するプラズマガスに、これまで知られていなかった構造を発見した。超巨大ブラックホールを中心として、降着円盤からの高エネルギー照射の影響を受けやすく比較的低速に運動している領域と、影響を受けにくく比較的高速な領域の2カ所に、プラズマガスが同心円状に分布していることを明らかにした。 研究チームは今回、観測史上最大規模の明るさの変動を示した天体「SDSS J125809.31+351943.0」の多波長時系列データを使用して、明るさの変動に伴う周囲のガスへの影響を調べた。その結果、超巨大ブラックホール周辺のガスの構造を従来よりも詳細に推定することに成功。高速で運動している中心部分のプラズマガスが二つの半径が異なるリング状に分布し、性質も異なることを観測的に見出した。 宇宙に無数に存在する銀河の多くには、中心部分に太陽の100万倍以上の質量の超巨大ブラックホールがあり、強い重力によって周囲のガスを集めることで質量を獲得して成長することが知られている。周囲のガスの分布や速度の情報はその成長過程を理解する上で非常に重要であるが、未解明な点が多い。 今回の研究は、超巨大ブラックホールの質量測定や、宇宙の膨張速度測定の精度向上につながる、宇宙の歴史を知る上で重要な成果であるという。研究論文は、王立天文学会月報(Monthly Notices of the Royal Astronomical Society)に202年2月9日付でオンライン掲載された

(中條)

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