FRONITERの「FRGAG-B760M/WSA/NTK」の実力をチェック

RTX 4070 Ti SUPERの高コスパBTOPCで4Kや高リフレッシュレート環境をゲットしよう!

文●勝田有一朗 編集●八尋/ASCII

提供: インバースネット

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アッパーミドルレンジの新定番になりそうな組み合わせ

 FRGAG-B760M/WSA/NTKが搭載するCPUのCore i7-14700Fは、インテル第14世代Coreプロセッサーのアッパーミドルに位置するモデルだ。オーバークロック非対応として消費電力を抑えたいわゆる“無印モデル”と呼ばれるもの。

 先行してリリースされていた第14世代のオーバークロック対応モデル「Kシリーズ」に続いて、2024年1月にリリースされたばかりの最新CPUだ。性能重視のPコアが8基、効率重視のEコアが12基搭載された計20コア/28スレッドのハイブリッドアーキテクチャCPUで、最大ブースト時動作クロックは5.4GHzに到達する。

 第14世代Coreと第13世代Coreは基本的に同じアーキテクチャーで、動作クロックがわずかに向上しているだけといった関係にあるのだが、前世代「Core i7-13700F」のPコア8基、Eコア8基の計16コア24スレッドと比較して、このCore i7-14700FはEコア4基分明確にパワーアップしているのが特徴。

 ゲーミング性能を大きく左右するGPUのRTX 4070 Ti SUPERも、2024年1月にリリースされたばかり最新GPUだ。昨年の2023年1月にリリースされた「GeForce RTX 4070 Ti」のアップデートモデル的な位置付けになる。

 パワーアップポイントとしては、とくにビデオメモリー回りの変更が顕著で、メモリー容量が12GB→16GBへ、メモリーバス幅が192bit→256bitへと大きくパワーアップしている。もともとRTX 4070 TiはWQHDゲーミングでの最高画質高フレームレートをターゲットとしていたGPUだったが、ビデオメモリーが強化されたRTX 4070 Ti SUPERでは4Kゲーミングへの対応も期待される。

 またもちろんRTX 40シリーズということで、DLSS 3のフレーム生成に対応するゲームタイトルであれば、さらなる高パフォーマンスも期待できるだろう。

CPU-Z(左)とGPU-Z(右)の実行結果

 これらのCPUとGPUは性能的な相性もバッチリで、この組み合わせは2024年のアッパーミドルゲーミングパソコンの定番になりそうな予感も覚える。

 また、システムメモリーは32GB(DDR4-3200 16GB×2)搭載でゲーミングパソコンとして必要十分な容量ではあるものの、マザーボードのメモリースロットが全2基のためこれ以上はメモリー全交換でしか容量アップできない点には留意したい。

ベンチマークではアッパーミドルらしい高スコアーをマーク

 ここからはいくつかの定番ベンチマークを実施し、FRGAG-B760M/WSA/NTKの基本性能を見ていこう。

 まず最初は、3DCGのレンダリングを通じてCPUのマルチスレッド/シングルスレッド性能を計測する定番の「CINEBENCH R23」および「CINEBENCH 2024」から。

CINEBENCH R23実行結果

CINEBENCH 2024実行結果

 比較データの豊富なCINEBENCH R23について言及すると、マルチコアが20302pts、シングルコアが2085ptsとなっており、とくにシングルコアの2000pts超えはかなりの高スコアーといえるだろう。

 一方でマルチスコアーの20000pts超えも十分高いスコアーではあるのだが、20コア/28スレッドのCPUと考えると少々インパクトが薄い。というのもFRGAG-B760M/WSA/NTKのCPU電力設定はMTP 135W/PBP 65Wで設定されており、長時間フルロードでは定格動作の65Wに抑えられることが要因となっている。

 とはいえ、一般的なゲームプレイで全コアフルロードになることは滅多になく、ベンチマークなどを除けば通常は65Wの処理能力で十分なので安心してもらいたい。

 それに、消費電力が低いということは発熱も抑えられているということで、ベンチマーク中のCPU温度は最大55度、PBP動作移行後は約44度で推移していた(室温19度)。CPUクーラーのファンも穏やかな回転を保てるので、FRGAG-B760M/WSA/NTKは比較的静かなゲーミングパソコンといっていいと思う。

 次は、実アプリケーションに近い負荷でパソコン全体の性能を測る「PCMark 10」(Ver.2.1.2662)をチェックした。

「PCMark 10」(Ver.2.1.2662)の結果

 総合スコアーは9300で、その内訳はアプリ起動速度、ビデオ会議、Webブラウジングの性能を測る「Essentials」が11574。表計算や文書作成のオフィスソフト性能を測る「Productivity」が11722。写真編集や動画編集、3DCG製作などのクリエイティブ性能を測る「Digital Content Creation(DCC)」が16087。

 Essentials、Productivity、DCC、3つの項目がすべてスコアー10000の大台を超えており、特に高スコアーのDCCからはFRGAG-B760M/WSA/NTKがクリエイティブ用途にも適した1台であることが示されている。

 続いて、3Dグラフィックス性能を測るベンチマーク「3DMark」(Ver.2.28.8217)の計測結果がこちら。

「3DMark」(Ver.2.28.8217)の結果

 DirectX 11のテスト「Fire Strike」では、フルHD(1920×1080ドット)のFire Strikeが43615、4K(3840×2160ドット)のFire Strike Ultraが14614というスコアーに。DirectX 12のテストを行う「Time Spy」では、WQHD(2560×1440ドット)のTime Spyが22050、4KのTime Spy Extremeが11099という結果になった。

 Direct X Raytracing(DXR)のテスト「Port Royal」のスコアーは15445。DirectX 12 Ultimateに特化した性能テスト「Speed Way」のスコアーは6282だった。

 1つ前の世代となるCore i7-13700F&RTX 4070 Ti搭載のゲーミングパソコンと比較して約5~16%のスコアーアップを果たしており、とくにPort RoyalやSpeed Wayといった重い処理の項目ほど上昇幅が大きい傾向となっているようだ。重量級ベンチマーク項目であるPort RoyalやSpeed Wayで、ベンチマーク中に60fps以上のフレームレートを出していたのが印象に残る。

 定番ベンチマークの最後は、ストレージの転送速度を「CrysrtalDiskMark 8.0.4」で計測した。ストレージのモデル名を確認したところ、試用機には「KINGSTON SNV2S1000G」が搭載されていた。PCI Express Gen4接続で容量1TBのM.2 NVMe SSDだ。

「CrysrtalDiskMark 8.0.4」の結果

 結果はシーケンシャルリード3695MB/s、シーケンシャルライト2594MB/sとなった。PCI Express Gen3接続のハイエンドクラスと同程度の性能が出ているので、Windowsの起動やゲームのローディングなども十分素早く、快適に運用できた。

 1TBという容量もゲーミングパソコンとしてひとまず安心できる容量なので、当面ストレージ容量を気にする必要はないだろう。もしストレージ不足になってもFRGAG-B760M/WSA/NTKには空きのM.2スロットが1基残っているので、そちらに新しいM.2 NVMe SSDを追加すればOKだ。

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