このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

「24アプリで月3800時間を削減」、自社開発した簡単データ分析アプリをSnowflake説明会で紹介

NTTドコモ、Streamlit利用の“ポチポチ分析アプリ”開発で社内データ活用を促進

2024年03月04日 10時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

“ポチポチ操作だけ”の簡単分析アプリ、ビジネス部門での開発者育成も

 こうした課題に悩んでいた鈴木氏らが出会ったのが、Streamlitだった。Streamlitを使って、ビジネスユーザー自身で柔軟なデータ分析ができるアプリを開発することで、これまでのギャップが解決できると考えたわけだ。

 「GUIを作れるエンジニアを抱えていないデータ部門でも、Streamlitならば慣れ親しんだPythonでGUIが作れる。これが大きなメリットだった。なおかつ、1つのアプリを作れば似たような課題を持っているビジネス部門に再利用してもらえる。そうして利用者が増えれば、作っている(データ部門の)ほうでもモチベーションが高まる。加えて、急成長しているStreamlitのスキルを蓄積できるというメリットもあった」(鈴木氏)

 ビジネス部門側でも「ノーコードで柔軟なデータ分析ができる」「自分でできるので待つ時間が不要、スピーディ」と好評を得ていると語る。

Streamlitを使い、データをノーコードで(GUIで)分析できるアプリを開発、提供することで、双方の課題を解決した

 ドコモでは、自社プライベートクラウド上にStreamlit環境を構築している。鈴木氏は、実際に社内で展開されているいくつかのアプリを紹介した。たとえば「機械学習を使った顧客ターゲティング」「施設来訪者のプロファイル分析」「広告配信の効果測定」など、ドコモ社内で頻繁に利用されるデータ分析をアプリ化しているという。

 「アプリを“ポチポチと”(GUIで)操作するだけで、データ分析やAIの技術をフル活用して目的とする結果が出せるアプリ――ということで、社内では『Pochi(ポチ)』と呼んでいる」(鈴木氏)

ユースケースに応じた単機能のデータ分析アプリを多数用意することで、社員のデータ活用を促している

 Streamlitを利用したアプリ開発は、現在はデータ部門で行っているが、今後はビジネス部門での自主開発など、広く全社へと拡大していく方針だ。その目標に向けて、開発者育成プログラムや社内コンテストといった取り組みを開始したという。

 開発者育成プログラムでは、これまでに180名ほどの開発者が誕生しているという。研修開始から8営業日ほどで初回の開発を完了し、現場で導入してユーザーのフィードバックを受けながら改善を進める、というかたちをとっている。

 また社内コンテストは、Streamlitを使ったアプリ開発を「一気呵成に」(鈴木氏)全社に広げることを目的とした取り組みで、Snowflakeの協力を得ながらビジネスコンテストを実施した。アイデア審査と実際の業務内での効果測定を経て、最終週アイデアを選出するというものだ。

 なお、このコンテストを通じて開発された24件のアプリは、1カ月間でのべ1万5000回利用され、3800時間ぶんの業務工数削減につながったという。「このアプリの利用を全社に拡大することで、月間で4万時間の稼働削減になると見込んでいる」(鈴木氏)。

Streamlitを利用したデータアプリ開発を全社に広めるべく、開発者育成プログラムやアイデアコンテストを実施

コンテストで開発した24件のアプリを1カ月間効果測定した結果、3800時間ぶんの工数削減につながった

 最後に鈴木氏は、将来的な展望として「今後もさまざまな事業領域にStreamlitを活用したアプリを展開し、ドコモの会員データに支えられた“データアプリのマーケットプレイス”を構築していくことで、新たな価値創出に貢献していきたい」とまとめた。

■関連サイト

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

アクセスランキング

  1. 1位

    ITトピック

    PC価格高騰で4割の企業が「調達を延期」/“謎のExcelマクロ”は業務継続リスク/日本のデジタル行政、利用率・満足度とも最低レベル、ほか

  2. 2位

    ビジネス・開発

    「ドラクエXの世界観を壊さない」Gemini実装 プロンプトからセキュリティ、サーバー設計まで工夫の数々

  3. 3位

    ビジネス・開発

    首都高が「AIの高利用者」を1年で10倍に 非IT人材に刺さったGemini Notebookと“泥臭い”浸透策

  4. 4位

    TECH

    【提言】フロンティアAIが生む“脆弱性パッチの波” 企業はパッチ適用プロセスの見直しを

  5. 5位

    TECH

    「SCS評価制度」取得を目指す中堅・中小製造業のリアル 富士工業が考える「セキュリティは経営に役立つのか」の答え

  6. 6位

    TECH

    生命がわずかな熱を細胞内で維持する新しい原理を発見

  7. 7位

    デジタル

    約3000人のハッカーが侵入できなかったpCloud すべてはユーザー自身のデータを守るため

  8. 8位

    デジタル

    属人化の解消は多忙な“Aさん”を救うことから 切り札は「kintone×AI」を自然に使わせる仕組み

  9. 9位

    デジタル

    平均年齢60歳の現場を変えたZ世代女子 kintoneで電話・紙・入力をなくしたら、仕事が楽しくなった

  10. 10位

    デジタル

    大企業導入も順調なkintone AI時代の“市民開発×ガバナンス”基盤を目指す

集計期間:
2026年08月19日~2026年08月25日
  • 角川アスキー総合研究所