エリアLOVEWalker総編集長・玉置泰紀のまち散歩 第2回
豊洲市場に隣接して、温泉と食のテーマパーク「豊洲 千客万来」が2月1日に開業!と言うことで一足早く食べて風呂に入って泊まってきたぞ
2024年2月1日に開業する「豊洲 千客万来」の内覧会に行ってきた。この施設は、東京の日本の食を支える豊洲市場(東京都江東区)に隣接した温浴棟「東京豊洲 万葉俱楽部」と食楽棟「豊洲場外 江戸前市場」から成る複合施設で、江戸の町をイメージした、東京湾を見晴るかす温泉と食のテーマパークとなっている。コンセプトは「うまさの聖地」。筆者は築地市場も足繁く通ったが、豊洲に移転した市場も早朝のセリを見学したり、市場の寿司店などを楽しんでいて、着々と完成に近づく和の街並みが気になって仕方がなく、1月29日のメディア向け内覧会に駆け付け、一足早く「東京豊洲 万葉俱楽部」の客室も体験宿泊してきた。
全国に11か所、130万人の会員数を持つ万葉倶楽部グループの最新施設は、日本を代表する世界的な豊洲市場を意識した、まさに江戸前にこだわった食のメッカが楽しめるが、想像以上にインパクトがあったのは豊洲を囲む東京湾の景色。西側にはレインボーブリッジをとらえ、北側には晴海大橋が夜には美しくライティングされる。露天風呂は勿論、2か所に設置された足湯から、このオーシャンビューが堪能できる。昼も気持ちがいいが、夜は特に美しい夜景が楽しめる。
2015年9月から構想がスタートし、2018年の豊洲市場開場と合わせて開業する予定だったが、コロナ禍など様々な影響で、2024年の開業となった。昨年から大きく回復してきたインバウンドだが、2023年の訪日客の旅行消費額は計5兆2923億円で過去最高を記録し、一人当たりの消費額がコロナ禍前より大きくなってきている。同年の訪日客数は2506万人でコロナ禍前の2019年の8割に回復しており、今年は確実にこれらの数字を上回る勢いだ。インバウンドでも市場人気は高く、内外の需要を千客万来は強く喚起していくだろう。
ブレない姿勢で「豊洲 千客万来」のこだわりはここだ!
「豊洲 千客万来」は多くのこだわりを持っている。例えば、食楽棟「豊洲場外 江戸前市場」の江戸的な意匠は、御影石や淡路島の「いぶし瓦」などの伝統的な建築素材と、多摩産材などを採用した木造建築を使うことで、空気感を表現している。また、温浴棟「東京豊洲 万葉俱楽部」では、専用トレーラーで箱根・湯河原温泉の湯を運搬して使用している。
メディア向けの内覧会では、万葉倶楽部の取締役副社長の高橋眞己氏が説明を行った。高橋副社長は豊洲プロジェクト開発担当で、筆者は2021年初頭に、2020年暮れに開業したミナカ小田原の狙いなどについてインタビューをしている。まさに、コロナ禍の真っただ中のオープンだったが、実は、この施設にはすでに千客万来の目玉の一つの展望足湯庭園ができていた。ちょうど2020年10月に着工していた千客万来の話も聞いていたのだが、「ミナカと同じように、逆にナショナルブランドではなくて個性のある店を集めて、やはり地域に密着したような形にしたいと考えています」と答えておられて、ブレていない、と言うのが感想だ。
今回の取材では「豊洲場外 江戸前市場」のリーシングについて「築地場外市場の店舗、豊洲中卸業者、地元の江東区商店街の皆様にお声を掛けさせていただきました。結果、ナショナルブランド的な店舗は少なく、個性の強い店舗が増えたと思います」と話している。
また、温浴棟である「東京豊洲 万葉倶楽部」については、ホテル客室71室のほか、リクライナーベッドを513台用意して、長時間ゆったり楽しめる365日24時間営業の施設であることを強調。夏には、ぐるり公園への散歩道、桟橋(屋形船、シーバス)のオープンも控えている、と言う。初年度は食楽棟200万人、温浴棟60万人の入場を見込んでいる。
「豊洲場外 江戸前市場」は百聞は一喰いにしかずで食べまくってきた
「豊洲場外 江戸前市場」は、江戸の街並みを再現した商業施設で、豊洲市場隣接を活かした新鮮食材の販売・提供を行う。3つのフロアからなり、約70店が集結している。
1階「豊洲江戸前通り」は、3軒のラーメン屋など気軽に食べられる食事を提供する店舗が並び、近隣住民やオフィスワーカーが日常的に利用できるエリア。
2階「目利き横丁」は、中卸が目利きした旬の食材や珍味を食べ歩きやカウンターで楽しめる。同じく2階の「豊洲目抜き大通り」は、うなぎや寿司など江戸時代から日本人に愛されてきた食の名店を集約した飲食店街や、地元の江東区で人気の店舗が並ぶ。
3階「よりどり町屋」は、市場隣接の立地の良さを生かし、新鮮な海鮮を使用した丼や寿司店を集約したフロア。中央には寿司のフードコートを設置し、誰もが手軽に多様な寿司を楽しめるエリアにした。
●丸武Premium(2階「目利き横丁」)
大正末期創業の玉子焼き専門店。特選玉子を使用した新しい出汁巻き玉子や、プリン、ソフトクリームなどのスイーツが並ぶ。限定メニューも出していく。
●ハルニレ(2階「目利き横丁」)
全国の牧場、チーズ工房から厳選仕入れした牛乳、チーズ、ヨーグルトを楽しめる乳製品専門店。
●うなぎ 明月川(2階「豊洲目抜き大通り」)
北鎌倉に本店がある、うなぎ専門店。豊洲市場で仕入れた活うなぎを丁寧に捌き関東風の蒸し焼きに。
●月島もんじゃ 十五夜(2階「豊洲目抜き大通り」)
東京・月島の伝統料理「もんじゃ」を、革新的な出汁と食材で仕上げた。
●炭焼魚串 おにぎり 越後屋助五郎(2階「目利き横丁」)
豊洲市場仲卸直営。真鯛串焼、うなぎ原始焼などの魚串、銀鮭や鯛めしのおにぎりは各15種。店内ではさば味噌煮定食の専門店も。
●豊洲 金ぷら(2階「目利き横丁」)
東京下町のおでん種屋が70年培った経験と知識を注ぎ込んだ汐おでんを肴にクラフトビールを。食べ歩きの揚げ蒲鉾、焼カニカマ、ノンアルコールモヒートも。
●相馬水産(2階「目利き横丁」)
創業60年の豊洲まぐろ仲卸「相馬水産」のファーストフード店。仲卸だからこその希少部位や前代未聞のまぐろ料理が楽しめる。
●漁火(水長水産)(2階「目利き横丁」)
創業150年近い歴史を持つ豊洲市場の老舗水産仲卸が、隣接した市場から目利きした魚介類を海鮮炉端焼きで。3月上旬オープン予定だが、お店の前でデモンストレーション。美味しかった。
●豊洲のみよし(2階「豊洲目抜き大通り」)
日本酒の利き酒ができるコーナー。
●豊洲えんぎもの(2階「豊洲目抜き大通り」)
日本ならではの「おいしい」「たのしい」が並ぶ土産物屋。なかでも、豊洲まぐろクッションは逸品。豊洲市場のまぐろ専門仲卸の(有)山金商店が協力したクッションは本物のまぐろのように柔らかな手触りだ。
「東京豊洲 万葉倶楽部」は東京湾を望む露天風呂やウォーターフロントを360°パノラマで楽しめる展望足湯庭園で、東京都心の温泉郷を創出した
「東京豊洲 万葉倶楽部」は、万葉倶楽部での11番目の施設であり、フラッグシップ施設として、東京都心の温泉郷を創出した。東京湾を望む露天風呂やウォーターフロントを360°パノラマで楽しめる展望足湯庭園が素晴らしい。温浴棟は地上9階、地下1階。
●大浴場(6階)
湯河原と箱根湯本の2種類の温泉が楽しめる。東京湾を望む露天風呂、ドライと塩のサウナが楽しめる。
●千客万来足湯庭園(8階)
この足湯は無料で開放されている。
●展望足湯庭園(屋上)
8階からはラグジュアリールーム。屋上も同様。
●岩盤浴「心石庵」(7階)
開放感のあるフロア型・乾式の岩盤浴。それぞれのテーマにあった鉱石を組み合わせている。ヒーリングルームも用意されている。
●万葉庵(5階)
食事処。
●客室
3階の部屋に泊まったが、目の前に晴海大橋が見えて気持ちの良い部屋だった。部屋着は7階のフロント階で、温浴施設の入館者同様に、浴衣、作務衣を選べる。
■施設概要
【所在地】
東京都江東区豊洲6丁目5番1号
※2階で、ゆりかもめ「市場前駅」とペデストリアンデッキで連結
【営業時間】
●物販・食物販 10:00~18:00
●飲食店 1階 10:00~18:00
2階 9:00~22:00(目利き横丁は18:00まで)
3階 10:00~22:00(一部店舗で時間が違うので要確認)
千客万来足湯庭園 10:00~20:00
【東京豊洲 万葉倶楽部】
年中無休/24時間営業
入館料は大人(中学生以上)3850円。詳しくはHPへ。
https://tokyo-toyosu.manyo.co.jp/
宿泊についてはHPへ。
https://go-manyo.reservation.jp/ja/hotels/manyo-toyosu
【豊洲 千客万来の公式サイト】
https://www.toyosu-senkyakubanrai.jp/
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