2023年のIT分野において重要なテーマを挙げるとしたら、「AI」を欠かすことはできないだろう。対話型AIサービスや画像生成AIなどの普及が進み、一般のユーザーでもこうした機能を活用する場面が増えている。
それに伴い、AI技術を支えるためのハードウェアも求められている。LLM(大規模言語モデル)を活用するためのサーバーはもちろん、現在はローカルのPC上で画像生成AIを使うような場面もあり、ユーザーごとに様々な形でAIへの対応が必要とされる時代になってきている。
そうした中、インテルでは2023年12月にニューヨークで「AI Everywhere」というイベントを開催した。その名の通り、AIに関するハードウェアの話題が中心となるもので、日本向けの記者説明会も実施された。
同社では、今後のAIはクラウドのLLMとローカルのLLMをシームレスにつなぐハイブリッドなものになっていくと考えており、これによりクラウド側ではより大規模なLLMを使った推論を、ローカルでは機密性の高いデータをと、それぞれの長所を生かしてAIを活用していく形になると語る。
その中で、ローカルの分野を担うのが、12月15日に正式発表された「Core Ultra プロセッサー」(開発コードネーム:Meteor Lake)だ。この新たなCPUは、AI向けの省電力プロセッサーであるNPUを搭載するなど、より効率的にAIを扱える設計を目指したものとなっている。
各社からすでにCore Ultra プロセッサーを搭載したノートPCも発表されており、今後個人のユーザーがローカルでAIを活用するために、こうした“AI PC”が必要とされる時代になってきている。
一方で、クラウドやエンタープライズ分野においてAIを支えるためのプロダクトが、「第5世代インテル Xeon スケーラブル・プロセッサー」(開発コード名:Emerald Rapids)だ。