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“遠隔対応”や“クラウドPBX”、“コンタクトセンター” ZoomプラットフォームによるDXをハンズオンで

世界3か所目となるZoomの体験施設「Zoom Experience Hub Tokyo」が開設

2024年01月18日 12時50分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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 ZVC JAPAN(Zoom)は、2024年1月、渋谷ヒカリエのオフィス拡張に伴い、同社の法人向けソリューションの体験施設「Zoom Experience Hub Tokyo」を開設。本施設の本格始動の前に説明会を開催し、メディア向けに披露した。

 Zoom Experience Hubの東京での開設は、世界で3か所目、APACではシンガポールに続き2か所目となる。

 ZVC JAPAN 代表取締役会長兼社長 下垣典弘氏は「Zoom製品の需要拡大に応え、ユーザーに寄り添った機能の説明をハンズオンで提供したいという想いがあり、Zoom Experience Hubを東京オフィスで開設した。当社の最新のテクノロジーを紹介したり、体感してもらったり、時にはそこから商談をするといった理想の体験ハブとして機能する」と説明。

ZVC JAPAN 代表取締役会長兼社長 下垣典弘氏

 現在Zoomは、従業員体験(EX)とその先にある顧客体験(CX)を向上させるためのソリューションを軸に事業を展開している。EXとCXのためのソリューションを一貫して使いやすくするために中核にZoomのクライアントを据え、AIにより生産性を向上させ、開発者エコシステムを通してより導入しやすくなるよう取り組んでいる。

Zoomのプラットフォーム

 このビジョンで展開されるZoomのプラットフォームにより、どのようにビジネスの課題を解決できるか、どのようにDXを推進できるかを体験できるのが、Zoom Experience Hub Tokyoとなる。本施設は、事前予約制となり、定員は約10名。同社の経営陣とのミーティングやスペシャリストによるサポートもセッティングする。

 現時点ではZoomプラットフォームの7つの領域のソリューションが体験できる。

Zoomによる受付業務DX

 ここからはZoom Experience Hub Tokyoで実際に体験できる各領域でのZoomソリューションを紹介する。

 まずは、据え置き端末からZoomを利用できる「Zoom Rooms」のキオスクモードによるバーチャル受付だ。受付で必要な機能を6個まで登録でき、ビデオや音声通話で受付を呼び出すことなどができる。

 このキオスクモードは、無人店舗におけるデモやサポートでも活用できる。「日本の労働人口の減少に伴い、いかに効率よく人材を活用するかが重要になってくるため、Zoom Roomsのキオスクは、是非実際に体験して欲しい」と技術営業部 執行役員 八木沼剛一郎氏。

Zoom Roomsのキオスクモードで出社が必須だった受付業務をリモートで

 また、利用していない状態の端末は、デジタルサイネージ機能により、顧客や従業員に伝えたい情報や動画などを流すことができる。

端末はデジタルサイネージとして任意の情報を表示可能

フリーデスク(出社時)のZoom体験

 続いては、ハイブリッドワーク化で採用が進むフリーデスクにおけるZoom体験だ。

 Zoom Roomsのワークスペース予約の機能により、予めアップロードした社内のマップに予約できる席やスペースが表示され、据え置き端末やモバイルから予約できる。既に利用されていると従業員のアイコンが表示される。

ワークスペース予約の機能で席やスペースを確保できる

日常業務におけるZoom体験

 席の予約後には、押さえた席に紐づいた電話端末にチェックイン。汎用的なデバイスがログインした従業員の端末として動作し、そこから予定された会議に参加するなど、すぐにパーソナライズ化された環境に変えられる。

予約した席の電話端末にログイン

 また、業務で利用するZoomのクライアントも、会議や通話だけではなく、今ではメールやカレンダー、チームチャットなどの機能も拡張され、クライアントを行き来することなくZoom内でコミュニケーションを完結できる。動画を簡単に録画、編集、共有でき、動画でのコミュニケーションを促進する「Zoom Clips」の機能も2023年に追加された。

 AI機能もシームレスにクライアントに統合されており、例えばチームチャットに来たメッセージを翻訳するなどできる。

クライアントのチームチャットをAIで翻訳

Zoom Roomsによる会議体験

 ハードウェアパートナーによるZoom Rooms対応のバー型オールインワンデバイスにより、モニターだけでも会議環境を整えることができる。Zoom Roomsの字幕機能による文字起こしも表示される。

モニターもオールインワンデバイスにより会議環境に、字幕機能も表示できる

Zoom Phoneによる社内電話のDX

 続いては、ZoomプラットフォームをベースとしたクラウドPBX「Zoom Phone」による社内電話のDXだ。働く場所に合わせてマルチデバイスで利用でき、チームで異なる場所で働いている場合にもグループ設定で対応できる。

 また、顧客が担当者に電話して不在、自動応答を経てサポートと通話するといった場面では、担当者のマネージャーなどが通話をモニタリングしたり、顧客に聞かれないようサポートにアドバイスをささやくこともできる。「ちょっとしたコンタクトセンターとしても活用できる」とUCaaS戦略担当 担当部長 吉田馨一氏。

 全通話録音の機能もあり、コンプライアンスチェックなども可能だ。今後、会話内容をAIで要約する機能も計画されている。

 通話中にワンクリックでそのままビデオ会議に移行する、電話と会議の世界を融合したZoomらしい機能も披露された。

働く場所にあわせて利用するさまざまなデバイスを選択できる、DECT Phone(無線子機)も(右奥)

通話中にビデオ通話へシームレスに移行

Zoom Contact CenterによるCX体験

 Zoom Contact Centerは、Zoomプラットフォーム上で構築されたコンタクトセンターソリューションだ。2023年7月より日本市場でも提供開始されている。ビデオ通話や音声通話、チャット、SMSなど複数のチャネル(オムニチャネル)をシームレスに横断しながら、顧客とのコミュニケーションが図れる。

 今回は、無人店舗に設置されたZoom Roomsのキオスク端末の書画カメラを通して、顧客の書類を確認しながらエージェントがサポートするシナリオや、ウェブサイトのAIチャットボット(Zoom Virtual Agent)からエージェントとのビデオ通話にシームレスに移る様子が紹介された。

書画カメラを通してユーザーの手元を見ながらエージェントが対応

ウェブサイトのAIチャットボットの問い合わせからシームレスにビデオ通話に移行

ボードルームにおけるZoom体験

 最後に紹介するのは役員が参加するようなボードルームでの会議におけるZoom体験だ。

 複数参加者の映像を表示させるZoom Roomsの「スマートギャラリー」機能では、AIが複数のカメラから映像や角度を選択し、各参加者が正面で映るよう最適化するIntelligent Director機能を実装している。

 また、コンパニオンモードを利用することで、Zoom Roomsと連携して据え置き端末での「Zoom Whiteboard」機能が利用でき、電子ホワイトボードによるディスカッションが可能になる。

AIにより複数参加者の表示を最適化するIntelligent Director

Zoom Roomsでホワイトボード機能を利用することも可能

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