本格的なカラーマネージメントディスプレーが登場
出荷時にキャリブレーション済み! 高い色精度を実現する液晶「VP2786-4K」を写真家ががっつりチェック
提供: ビューソニックジャパン
キャリブレーションはクリエイティブ作業に取り組むときの強い味方
「百聞は一見に如かず」ということで、普段、資料やブラウザーの表示に使用しているサンプル用ディスプレーを用意した。スペックは、27型4K UHD(3840×2160ドット)解像度で非光沢IPSパネルを搭載しており、VP2786-4Kと同じ条件だ。ただし、色域はsRGB(100%)のみ、もちろんキャリブレーションをしたこともされたこともない個体だ。
ここでは、VP2786-4KもsRGBに設定して、16bitのAdobe RGBからJPEG出力したグラデーションイメージを比較してみた。作成した元データに、より近い(拡大しないとわからないレベルで同じ)画像を表示しているのは、もちろんVP2786-4K。それに対して、サンプル用ディスプレーでは、ガンマ2.2のはずだが、全体的に輝度が高く、色ムラも発生しており、グラデーションも表現に乏しい。
横並びで比較したからこそ気づくのだが、色の変化に弱い人間の目では、何となく明るい後者のほうがきれいに見えてしまうこともあるくらいだ。この環境で作業をしたら、輝度も彩度も飽和したギラギラのデータを納品してしまいそうで恐ろしい。
27型の4K解像度(3840×2160ドット)でキャリブレーション済み、さらに、ハードウェアキャリブレーションに対応しながらキャリブレーター(ColorProホイール)付属で実売価格13万1780円は、価格設定を間違えたのではないかと心配になるほど。キャリブレーションソフト「Colorbration+」が、サブスクリプションになるのではないかと邪推したがそれもなかった。
sRGBの色域で編集していたユーザーが、より広色域のAdobe RGB環境へ移行したいと考えたり、また、普段からRAWやLogデータに触れている人が、通常のCMYKより広色域なインクで入稿したりインクジェットを使用したりする場合、あるいは、放送や広告素材などの制作にも携わる、とくにミッションクリティカルなシーンなどにおいては、モニターの色精度は信用問題に発展するため、キャリブレーションによって正確な色が担保されるカラーマネージメント環境は必須だろう。
sRGBでJPEG出力してSNSや一般的なWebサイトにアップロードしたり、特色のない通常のCMYKで入稿したりするユーザーにとっては関係ないと思われるかもしれないが、出力する直前まで広色域かつ編集耐性の高いデータから劣化を抑え、意図する色を選択して扱うことはとても意味がある。
とはいえ、正しい色を再現するためにはハイエンドなカメラ、PCおよびストレージ、さらにはプリンターなどを必要とする場合もある。完璧なカラーマネージメントを実現しようとすればコストは青天井だが、限られた予算の中で環境をステップアップする周辺機器として、低価格でありながらハイエンドなスペックを兼ね備えたVP2786-4Kは、現時点で最適解と言えるだろう。
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筆者紹介─PePe
父親のIBM Aptivaをオモチャにしてから人生が狂い始め、アルバイトで手にしたお金を高速電脳に突っ込んではMMORPGに浸り尽くした学生時代。縁あってPCパーツ代理店に就職、たくさんの方にご迷惑をお掛けしながら、何を血迷ったか現在はフリーランスで写真や動画を触りながらご飯を食べたいと喚き散らす。ASCII.jp上で今月のピックアップコスプレイヤーを連載中。
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