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ViewSonicの27型カラーマネージメントディスプレー「VP2785-2K」で実践

とっても簡単!ViewSonicの専用ソフトでキャリブレーションをやってみた

文●周防克弥 編集●市川/ASCII

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 ディスプレーはPC環境において最終的な出力手段になる道具で、クリエイティブ作業を行なうならPCよりも重要度は高いと個人的には考えている。PCはある程度の性能があれば問題ないだろう。ただ、ディスプレーに関しては多く流通しているお手頃価格のモデルでは出ない、もしくは出せない色があるため、できることとできないことがはっきりと分かれてしまう。

 例えば、ペイント系ソフトで黒から白へのグラデーションを書こうとした際、ディスプレーの再現率によっては部分的に色の境目が出てしまう。また、明るさの差が滑らかに再現されず、デジカメなどで実際に撮った写真の印象が変わることも考えられる。

 当然ながら、人間の肉眼はディスプレーやどんなに高性能な撮像素子よりも優れた性能を持っていて、ディスプレーでそれを100%再現するのは正直難しい。だが、できる限りの範囲で自分の感じた感動を伝えたいと思うなら、PCよりもディスプレーを重要視してほしい。

 色の再現率にこだわった高色域ディスプレーが理想的だが、一般的なディスプレーよりも高価なものが多い。仕事でもないのにそこまでお金をかけるぐらいなら、PC本体の性能を重視したいと考える人も多いかもしれない。

 そんな人におすすめしたいのが、ViewSonicの27型カラーマネージメントディスプレー「VP2785-2K」だ。本モデルはよく見かける高色域ディスプレーに比べて性能が劣ることはほぼなく、十分に仕事道具として運用できる。加えて、比較的安価な価格で購入できるのも特徴のひとつだ。通販サイトの「ドスパラ」では4万8800円で販売されている(2月8日時点)。

ViewSonicの27型カラーマネージメントディスプレー「VP2785-2K」。価格は4万8800円(ドスパラ)

 また、本モデルはAdobeRGB色域100%、DCI-P3色域96%をカバーしているので、静止画から動画まで多くの作品づくりに対応できるのも魅力的だ。出荷時には一台ごとにキャリブレーションされており、個体ごとに色校正レポートが付属している。

 出荷状態のままでも十分な色合わせが行なわれているが、この性能をずっと維持できるわけではない。徐々に明るさや色温度は変わっていくので、安定した色を再現するためには定期的なチェックが必要になるのだ。

 そこで重要なのが、正確な色を測定・設定できる「ハードウェアキャリブレーション」という作業だ。このハードウェアキャリブレーションは専用のツールが別途必要になるが、一度購入すれば長く使えるので、安定した色を維持するには必須といえる。

 今回取り上げるVP2785-2Kは、多くのハードウェアキャリブレーション用のツールに対応しているモデルだ。そこで本記事では、比較的ポピュラーなX-riteの「i1Display Pro」(現在は『Calibrite ColorChecker Display』として販売中)を使い、キャリブレーションの過程を紹介したい。

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