世界を進化させるテクノロジーを称える『知財番付2023』受賞知財10点が決定!
株式会社知財図鑑
横綱は、どんな立体にも自動変形できる「Inkjet 4D Print」と、無色透明な「透明太陽電池」が受賞
知財図鑑は「世界を進化させる知財」をビジネスパーソン・クリエイター・投資家など、広く世の中に周知することを目的として、優れたテクノロジーを称えるアワード『知財番付2023』を開催し、結果を発表しました。
知財図鑑は本アワード『知財番付』を例年開催しております。今年は審査員として、知財図鑑編集部と"知財ハンター"のほか、知財をクリエイティブに楽しむコミュニティ「知財ハンター協会」と共にアワードを開催しました。下記4つの指標にて、2023年に掲載した知財と知財ハンター協会に持ち込まれた知財の合計約200点を知財図鑑編集部と"知財ハンター"が5段階評価を行い、合計20点満点にて評点を集め集計。今年の『知財番付2023』を選定しました。
1.応用性:他分野の産業や技術にも活かせる展開の可能性があるか?
2.専門性:特定の産業やシーンにおける課題解決力があるか?
3.将来性:次世代のスタンダードをつくる基盤となりえるか?
4.クリエイティビティ:従来の表現活動や生活を拡張する創造性があるか?
最も高い総合点を獲得し、東西それぞれから “番付”として選出された「知財番付2023」の詳細は以下の通りです。
受賞結果
<横綱>
東の横綱:「Inkjet 4D Print」多面体シートを加熱するだけで、どんな立体にも自動変形できる技術
東京大学、宮城大学、Nature Architects、エレファンテック
https://chizaizukan.com/property/799/
西の横綱:「透明太陽電池 by OPTMAS」赤外光で発電する無色透明な太陽電池
OPTMASS
https://chizaizukan.com/property/798/
<大関>
東の大関:「自在肢(JIZAI ARMS)」身体の拡張と編集を自由にするロボットアームシステム
JST ERATO 稲見自在化身体プロジェクト
東京大学 先端科学技術研究センター 身体情報学分野 稲見・門内研究室
東京大学 生産技術研究所 機械・生体系部門 山中俊治研究室
https://chizaizukan.com/property/740/
西の大関:「Dogen City」気候変動に適応する持続可能な海上都市
N-ARK
https://chizaizukan.com/property/dogen-city/
<関脇>
東の関脇:「ガンマ波変調技術」音で認知症に挑む「ガンマ波サウンド」の取り組み
Pixie Dust Technologies, Inc.、塩野義製薬、シオノギヘルスケア
https://chizaizukan.com/property/gammawavesound/
西の関脇:「TATAMI ReFAB PROJECT」3Dプリンターを用いて現代になじむ“畳”に編み直すプロジェクト
HONOKA
https://chizaizukan.com/property/tatami-refab-project/
<小結>
東の小結:「Scan SLAM(スキャン スラム)」自分と周囲の空間を瞬時に認識し、地図を作る技術
https://chizaizukan.com/property/708/
千葉工業大学未来ロボット技術研究センター(fuRo)
西の小結:「tQR(R)」新型QRコード
デンソーウェーブ
https://chizaizukan.com/pickup/interview/6oY5bhqiRThC4bovS3i4K1/
<前頭>
東の前頭:「LiDR」液体をキャンバスに変える液中描画技術
サントリーホールディングス
https://chizaizukan.com/property/788/
西の前頭:「mocopi(モコピ)」全身の動きをトラッキングする小型・軽量なモーションキャプチャー
ソニー
https://chizaizukan.com/property/mocopi/
※なお、本アワード「知財番付」は日本国内に拠点がある知財を対象としています。2023年は画像生成AIや対話型知財に大きな注目が集まりましたが、その中でも応用性や事業創出視点での活用が期待できる知財に審査の重点が置かれました。
▼「知財番付2023」公式ページ
https://chizaizukan.com/news/2O2dtyFmB83p6w21kzzSSi
総評
・東の横綱となった多面体シート「Inkjet 4D Print」は、複雑な多面体を素早く、かつ環境に優しい方法で立体に変形させる事ができ、製造から運搬、アート作品の創造に至るまで、幅広い分野に革命をもたらす可能性を秘めているという点で多くの審査員の票を集めた。
・西の横綱となった「透明太陽電池 by OPTMAS」は、窓ガラスなどに用いても室内の明るさを損なわずに発電できるという技術自体の創造性もさることながら、ビルや大規模施設の窓に設置して、地産地消の電力や災害時の予備電力として活用することに加え、通信機器・デバイス開発への展開などといった応用性の点でも高く評価された。
・「自在肢(JIZAI ARMS)」の、身体の自由自在な拡張を可能にする画期的な技術かつ、装着者間の交換や贈与を通じて新たな社会的インタラクションを創出するという独自性が高い評価を得た。
・気候変動に適応する機能を持つ、自立分散型の持続可能な海上都市「Dogen City」は、医食住情電資を「同源」に融合し、新たなエコシステムとしての海洋経済圏の具現化というポイントで高い評価を得た。
・「ガンマ波変調技術」は、生活のあらゆる音を認知症予防が期待できるヘルツに変換できるという拡張性や応用性に加え、音声変換の際に音質の劣化も予防できるため、暮らしに馴染む汎用性という点でも評価が集まった。
・使い終えた畳を現代の暮らしになじむ“畳”に編み直すプロジェクト「TATAMI ReFAB PROJECT」は、畳再生の循環を生み出すだけでなく、日本の伝統工芸の可能性を拡げ、次世代に続く持続可能な工芸としての再構築を促すと期待されている。
・瞬時に周囲の空間と自己位置を認識して地図を生成する「Scan SLAM(スキャン スラム)」は、ロボットや乗り物だけでなく、AR・VRなどバーチャル空間への活用や位置特定デバイスへの展開などが期待される。
・都営地下鉄などのホームドア開閉制御システムに使われている、新型QRコード「tQR(R)」は、ホームドア導入コストを大幅に下げた課題解決力が評価され、多くの票を集めた。
・液体をキャンバスに変える液中描画技術「LiDR」は、飲料を通じてメッセージを伝えたり、同じデザインの飲料を飲むことで楽しみを共有したりと、飲料を起点としたコミュニケーションと演出の可能性が広がる点で表を集めた。
・6つの小型・軽量なセンサーの装着で、全身の動きをトラッキングできるモーションキャプチャーシステム「mocopi(モコピ)」。屋内外での手軽な活用を実現していて、ゲームやイベント、フィットネス、メタバース関連サービスでの活用が見込まれており、VR・ARなどの社会実装をより一層加速させると期待されている。
特別賞(海外)
本アワード「知財番付2023」は日本国内に拠点がある知財を対象としていますが、海外に拠点を置く知財で特に評価を多く集めた知財を特別賞として紹介します。
・「ChatGPT(チャットジーピーティー)」自然な対話と回答ができる、人工知能チャットボット
https://chizaizukan.com/property/709/
・「Apple Vision Pro」デジタルと物理的世界を融合する空間コンピューター
https://chizaizukan.com/property/800/
・「メタマテリアル by OPT Industries」3Dプリントで生成する、自在な構造と機能を持つ人工素材
https://chizaizukan.com/property/796/
・「AIZOME ULTRA」超音波で繊維の隅々まで染料を定着させる藍染技術
https://chizaizukan.com/property/aizome-ultra/
知財図鑑では、これからも「世界を進化させる」テクノロジーをクリエイターの視点でわかりやすく解説し、未来を妄想することで活用の可能性を提案していきます。知財の掲載・取材を希望する企業や個人の方は、こちらからぜひお問い合わせください。
▼知財図鑑の「知財活用メニュー」
https://service.chizaizukan.com/
知財図鑑について
知財図鑑は、世界を進化させる「すごい知財」に出会い、共創を生み出すためのクリエイティブ・メディアです。クリエイティブ思考により妄想プロジェクトを可視化し、プロトタイピングを実践していく共創型の取り組みの支援に注力しています。ワークショップの開催、アイデアのビジュアライズ、様々なAI活用、情報発信を通じて、先端技術や未来の課題を横断し、様々な産業の未来を考察し新規事業の創出をお手伝いしております。
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