フロントとリアの同時変速が鬼門
それは少なからず頭を使わなければならないからです。
標準的なロードバイクは後輪の「リアスプロケット」と、クランクに付いた「フロントチェーンリング」の「アウター」「インナー」の2枚、これらギアの組み合わせで必要なギア比を得ます。
ドロミテ搭載のシマノ105はフロントチェーンリングのアウターが50T、インナーが34T。リアスプロケットが34 - 30 - 27 - 24 - 21 - 19 - 17 - 15 - 14 - 13 - 12 - 11Tの12速。Tというのはギアの歯数で、フロントチェーンリングの歯数をリアスプロケットの歯数で割ったのがギア比になります。以下がその一覧。
すでに面倒な感じになっていますが、まずこのギアテーブルで使えない組み合わせが2つ。赤で示したセルは、いわゆる「インナートップ」と「アウターロー」。
フロントのインナーは車体中心から見て内側、リアスプロケットのトップは外側の端で、そこにチェーンをかけると斜めに走って抵抗が増えるからいかんのだそうです。同様にアウターとリア1速の組み合わせも禁則事項です。
そして黄色いセルはギア比が重複する区間です。スムースにギアをつなぎたいならこの区間のどこかでフロントを変速したい。例えばインナー9速からフロントをアウターに入れリアを6速に落とすと、ギア比2.43から2.63への程良いシフトアップが完了します。
シンプルに言えば前上げて後3段落とす。それだけなのにこれが面倒なんですな。ギアテーブルも頭に入っていなければ、インジケーターがないとリアが何速に入っているのかも分からないからであります。
だからインナートップに当たってリアのシフトが効かなくなったらアウターに入れるとか、アウターに入れて重くないところまでリアを落とすとか、いっそアウターはなかったことにしてインナーだけで回し続けるといった雑な方法で対処してきました。当然ながら負荷の大変動につながるので体力は削がれる。面倒だし疲れるし最悪なのであります。
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