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予想以上の窒素が初期の宇宙に存在、JWSTの観測で判明

2023年12月14日 17時25分更新

文● MIT Technology Review Japan

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東京大学らの共同研究チームは、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の大規模高感度観測データを用い、129億年から134億年前の初期の宇宙に、炭素、酸素に対する窒素の比率が異常に多い銀河を3つ発見した。現在の宇宙の天の川銀河と比較しても3倍以上の多さで、元素が恒星の内部で作られて超新星爆発で宇宙空間に拡散するというこれまでの理論では説明できない数値であるとしている。

東京大学らの共同研究チームは、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)の大規模高感度観測データを用い、129億年から134億年前の初期の宇宙に、炭素、酸素に対する窒素の比率が異常に多い銀河を3つ発見した。現在の宇宙の天の川銀河と比較しても3倍以上の多さで、元素が恒星の内部で作られて超新星爆発で宇宙空間に拡散するというこれまでの理論では説明できない数値であるとしている。 研究チームは今回、JWSTの高感度赤外線観測データを詳細に解析し、初期の宇宙にある71個の銀河に含まれるガスの炭素、窒素、酸素などの元素の存在比を調べて最新の数値シミュレーション結果と比較した。129億年から134億年前の宇宙にある3つの明るい銀河について、検出された炭素、酸素、窒素の輝線の光度などから酸素に対する炭素および窒素の個数の存在比を求めたところ、窒素が炭素や酸素に比べて異常に多いことが判明。窒素の存在比が、太陽系はもとより、私たちの天の川銀河のガスと比べても3倍以上になることが分かった。 炭素と酸素、窒素は恒星の内部の核融合で作られ、やがて超新星爆発などで放出されたと考えられている。しかし、今回見つかったガスは、超新星爆発から放たれるガスより窒素の存在比が遥かに大きいので、初期の宇宙では、一般的に考えられている元素の主な供給メカニズムとは違う仕組みが働いていた可能性があるという。 研究論文は、米国の天文学誌アストロフィジカル・ジャーナル(Astrophysical Journal)に、2023年12月12日付けで掲載された

(中條)

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