サイズはやや大きめで、高いフィット感がある
では、実際に音質などはどうなのか。今回は筆者の私物である「INZONE Buds」とロジクールの「G FITS」とも使用面なども含め比較してみた。音質に関しては、好みの問題もあると思うので参考程度として欲しい。
上画像の左上が「G FITS」、右上が「INZONE Buds」。「PULSE Explore ワイヤレスイヤホン」はケースはやや大きめで開き方も横開きのため、開くとややサイズ感が目立つ。
しかしながら、イヤーピースの形状が変形する関係上、イヤホンがしっかりホールドされない「G FITS」と異なり、「INZONE Buds」と同じくしっかりとケースにイヤホンがハマるため、充電がされてないといったことは起き辛そうだ。
イヤホンのサイズ感はハウジングの構造や物理ボタンの問題もあってか、他2つよりもやや大きめ。精密な重量が計測できるスケールが手元にないが、とはいえ極端に重いといった感じはしない。
「PULSE Explore ワイヤレスイヤホン」は耳介にハウジング部分が当たり、しっかりホールドされる感じはあった。装着感は人によって耳の形状も違うので、気になる人は購入する前に実際に量販店などで試して貰った方が良いだろう。
USBの送受信機(各製品によって名称が異なる)は、USB Type-C接続で小型の「INZONE Buds」、同じType-A接続の「G FITS」のものよりもやや大きい。
音質はクリアで明瞭だが、迫力にやや欠けフラットな印象
音質については専門家ではないので簡単に。PS5にて今年ヒットしたロボットアクションゲーム『アーマード・コア6』をプレイ。ライフルの音やミサイルの発射音の響き、爆発の迫力は「INZONE Buds」、「G FITS」にやや劣るものの、「PULSE Explore ワイヤレスイヤホン」は歪みを感じないクリアで澄んだ音でまずまずな印象。音の定位感はほぼ同一で、どの方向から攻撃を受けたかに関しては、どれも分かり易いと感じる。
「PULSE Explore ワイヤレスイヤホン」に内蔵されているプレーナーマグネティックドライバーは、SIEが今年8月に買収したAudeze(オーデジー)の平面磁気ドライバーをカスタムしたものと考えられる。平面磁気ドライバーは、振動版の全体をほぼ均一に動かせるため、振動板を薄く軽くでき、音の信号のレスポンスが良くなるメリットを持つ。
振動板が大きければ力強い低音を再生しやすく、振動板を均一に動かすことで歪みが少なくクリアな音が鳴らせる。また、レスポンスが良いため残響や余韻のような微細な音も明瞭に聴き取れるという。
最近のゲーム用イヤホンやヘッドセットは、FPSで爆発音や銃撃音がうるさいと、敵の足音が良く聴き取り辛いという意見もり、あえて重低音を抑えてフラットな音質になっている傾向がある。
「G FITS」はその傾向が強いが、「INZONE Buds」は今回の比較機のなかでは、もっとも重低音の迫力がやや強い印象。一方、「PULSE Explore ワイヤレスイヤホン」も「G FITS」と同じ傾向で、さらに音が軽い。
音の解像感はクリアで、バックミュージック、効果音と微細な音まで再現していて、ホワイトノイズなどもなく聴きやすくはあるが、ソロキャンペーンでの高い没入感を得るための迫力が欲しい人には向かないように感じた。
また、PS5ではそれでも比較機の2製品と、かけ離れた差は感じなかったが、PCに接続して楽曲を聴くとなると、PCソフトウェアの影響もあるのか、割と明確な差を感じる。たとえば、YOASOBIの「アイドル」で言えば最初の入りの強い重低音の迫力は「INZONE Buds」と比べると明らかに弱い。
さらに、Bluetooth接続では、LE Audio接続の「INZONE Buds」よりも音の劣化が大きく、より音の残響などが残らないように感じた。汎用性のあるPCソフトウェアのイコライザーで調整すると変わるかもしれないが、やはり音楽用として考えている人には向かないだろう。
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