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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第112回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 12月2日~12月8日

AIコーディングは4年後に50%が導入、物価上昇を上回る賃金の増加「なし」7割強、OSS「6つの神話」検証、ほか

2023年12月11日 09時45分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2023年12月2日~12月8日)は、ソフトウェア・エンジニアリングのハイプ・サイクル、物価上昇と賃金増加の実態、国内企業における生成AIの活用状況、オープンソースコミュニティ「6つの神話」検証、クラウドセキュリティとゼロトラストについてのデータを紹介します。

[開発]AIコーディングの利用は2027年には50%、ソフトウェア開発のハイプ・サイクル(ガートナージャパン、12月4日)
・AIコーディングツールの利用は2027年までに50%に
・AI拡張型ソフトウェア・エンジニアリングは「過度な期待」のピーク期へ
・2026年までに大手組織の80%がプラットフォーム・エンジニアリングを結成

 「ソフトウェア・エンジニアリングのハイプ・サイクル:2023年」より。AIを活用したコーディングツールについては、開発者の生産性と満足度の向上を促進するなどの効果が見込めることから、2027年までに企業のソフトウェアエンジニアの50%がこれを使用すると予想。AI拡張型ソフトウェア・エンジニアリングは、ソフトウェア開発ライフサイクルを自動化するもの。このほか、テクノロジ・エコシステムの複雑性を管理する目的で、開発とプロダクトチームに一貫性を提供できるプラットフォーム・エンジニアリング手法の取り入れが進むとも予想している。

ソフトウェア・エンジニアリングのハイプ・サイクル(出典:ガートナージャパン)

[生活][消費者]73%が「物価上昇を上回る賃金の増加はなし」、74%が「物価上昇に伴い生活に不安」(ビッグローブ、12月4日)
・「物価上昇に伴い生活に不安を感じる」は74%
・73%が「物価上昇を上回る賃金の増加はなかった」
・冬のボーナスは69%が「預貯金」

 全国20~50代の男女1000人を対象に「2023年冬の生活とお金に関する意識調査」を実施。「物価上昇に伴い生活に不安を感じるか?」という質問に対しては、「1年以上前から不安を感じている」(43%)を含む74.2%が「不安を感じる」と回答。今年賃金が増加したかについては、「変わらない」(47.9%)が最多、「下がった」(10.6%)「上がったが物価上昇に追いつかない」(15.1%)と合わせて、73.7%が「物価上昇を上回る賃金の増加はなかった」と回答している。

昨今の物価上昇に伴い「生活に不安を感じる」人は74.2%(出典:ビッグローブ)

2023年に「賃金が上がった」人は41.4%を占めたが、「物価上昇を上回る賃金増加があった」に絞り込むと26.3%。全体の73.7%は物価上昇を上回る賃金増加はなかった(出典:ビッグローブ)

冬のボーナスの使い道については69%が「預貯金」と回答(出典:ビッグローブ)

[OSS][開発]OSSの4年後の生存確率は48%、6つの神話を検証(NTT、九州大学、12月4日)
・OSS(オープンソースソフトウェア)の4年後の生存確率は48%
・OSSのコミュニケーションの約半分は4時間以内のやり取り
・OSSコミュニティの脆弱性解決期間はおおむね3カ月

 40万人以上の開発者、230万件以上のコミュニケーションから、OSSコミュニティの活動実態を調べたレポート「OSS Myths and Facts(OSSの神話と真実)」より。OSSコミュニティにまつわる6つの神話(1:コミュニケーションは緩やか、2:眠らない 、3:終わるのも早い、4:クラッカーに負けない、5:要求に素早く応える、6:参加者はトップ開発者)をそれぞれ検証。その結果、1:企業開発者と同等かそれ以上の素早いコミュニケーション、2:北米のオフィスアワーに集中、3:4年後の生存確率は50%以上、4:脆弱性解決期間はおおむね3カ月、5:バグ修正や機能追加要件の多くは2週間以内に解決、6:役割はプログラミングだけでなくバラエテイに富んでいる、と分析している。

0SSの経過期間と生存率。4年後(48ヶ月)は48%だった(出典:NTT、九州大学)

[生成AI]生成AIの活用または検討に着手した企業は87%、半年前の22%から大幅増(、12月7日)
・生成AIの「社内・外活用」または「検討に着手している」企業は87%
・生成AI活用は「脅威」と回答した47%が、「他社より相対的に劣勢にさらされる脅威」を感じている
・生成AI活用に必要なスキルのトップは「AI技術全般に関する理解」(47%)

 AI導入について、売上高500億円以上の国内企業、組織に属する課長職以上を対象に、2023年10月中旬に行った「生成AIに関する実態調査2023 秋」より。有効回答は912件。生成AIの認知について、「知らない」はわずか4%で、73%は何らかの形で「利用経験がある」という。生成AIの「社内・外活用を実施/推進/検討している」組織は87%に及び、前回(春)の22%から大きく増えた。生成AIの活用を実施/推進/検討中の企業のうち、58%が「今後1年以内の本格導入を予定」することもわかった。予算の規模は「数億円未満」(42%)、「数億円以上」(24%)。

生成AIの認知度(左)と活用の推進度合い(右)。「生成AI活用中または推進・検討中」は87%、春は22%だった(出典:PwCコンサルティング)

※訂正:上図について、発表元のPwCコンサルティングが訂正発表を行ったため、差し替えを行いました。(2024/02/06 編集部)

生成AIを「脅威」と回答した人の47%が、「競合他社に先を越される」や「新規競合の参入」など「他社より相対的に劣勢にさらされる脅威」を感じている(出典:PwCコンサルティング)

生成AIに最も必要なスキルは「AI技術全般に関する知識」が47%で最多(左)。国・政府への期待としては「生成AIの技術動向情報の収集・公開」(47%)、「活用する際に企業が遵守すべきルールやガイドラインの策定」(43%)など(出典:PwCコンサルティング)

[セキュリティ]データ漏洩の47%がクラウドで発生、97%がクラウドセキュリティ改善として「ゼロトラスト」に期待(Illumio、12月5日)
・2022年のデータ漏洩の47%がクラウドで発生 ・2022年クラウド侵害を受けた企業の平均損失額は410万ドル ・97%がゼロトラスト・セグメンテーションによりクラウドセキュリティを改善できる

 日本を含む9カ国のITとセキュリティの意思決定者1600人を対象に、クラウドのセキュリティについて調べた結果をまとめた「Cloud Security Index: Redefine Cloud Security with Zero Trust Segmentation」より。2022年のデータ漏洩の47%がクラウドで発生、回答者の10人中6人以上がクラウドのセキュリティ対策が不十分であるために事業運営に深刻なリスクが出ていると考えていることがわかった。個人を特定できる情報(PII)など機密データをクラウドに保管している企業は98%。クラウド侵害を受けた企業の平均損失は約410万ドル、しかし回答者の26%が侵害が必ず起きるわけではないと想定していることもわかった。回答者の97%は、ゼロトラスト・セグメンテーションによりクラウドセキュリティを改善できると期待しているという。

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