2023年12月に、「コネスポ」が、スポーツの種目や年齢に関係なく、スポーツをしているのであれば誰でも登録できる「会員制クーポンサイト」をオープンする。「コネスポ」は、協力企業や事業者のクーポンを配布することで、スポーツユーザーの日常消費の負担軽減を目指すサービス。企業の販促だけでなく、地域のスポーツ支援の両方が可能だとして注目を集めている。
「コネスポ」は新しい形のスポーツ支援サービス
「コネスポ」は2022年8月にプレオープンした新しい形のスポーツ支援サービス。コネスポの事業に賛同した各地域の企業や事業者が発行したクーポンを、登録した小中学生のスポーツクラブへと配布する――という仕組みだ。
配布されたクーポンは、スポーツクラブの会員や指導者へと配られ、各家庭で利用することができる。例えば、スーパーの買い物や飲食店で使ったり、用具の購入費に充てたりといったことが可能になる。
これまでは千葉県柏市を中心に事業を展開し、対象となるクラブも柏市近隣の市町村のみだった。しかし、会員数が順調に伸びていることもあり、事業エリアを拡大するために2023年11月10日に個人でも登録できる会員制クーポンサイトの事前登録をスタート。年齢、性別、種目に関係なく、スポーツをしている方であれば誰でも入会費や年会費もなく登録可能になっている。
利用者側もスポンサー側もメリットが得られる
「コネスポ」を立ち上げた大野智司代表によると、「スポーツをすることが日常消費の負担軽減につながる」のが本サービスのポイントとのこと。
例えば、子供を地域のスポーツクラブに入れる場合、月謝や用具代などお金が必要になる。そのため、「習わせたいけど難しい」、「出費がきつくて長く続けさせられない」という家庭は少なくない。とはいえ、月謝を安くすると今度はクラブの運営が難しくなる。
そこで、「子供にスポーツを習わせている親御さんに、月謝を払っていないように感じさせることはできないか」と考えたのが、先述のように「クーポンを配布する」という事業だ。
つまり、支払った分と同等、または一部でもいいので、スポーツができる環境の提供や指導以外に「何らかの対価」があれば、「月謝を支払っても損をしている」とは感じにくくなる。得だと感じるケースもあるだろう。結果的に、スポーツクラブに入ることへの抵抗感が小さくなり、「スポーツがしやすい環境」を作ることが可能になるのだ。
また、「コネスポ」というサービスを通じて、各地域のスポーツクラブをひとつにまとめられることも大きなポイント。小規模のスポーツクラブは、スポンサーを得るのが難しく、例えばそれぞれ独自に資金提供をしてくれる企業を探すのは至難の業だ。しかし、10人、20人のクラブでもまとめると大きなマーケットになり、スポンサーシップとして成立しやすくなる。
クーポンをもらう側は家計のサポートができ、配布する事業者側は、新規顧客やリピーターの獲得につながるのが、「コネスポ」の大きな魅力だ。
スポーツ業界の課題のひとつに「若年層からのスポーツ育成」が挙げられる。そのため、昨今は小中学生がスポーツをしやすい環境を整えるために、学校の部活動支援などが積極的に行なわれている。
地域のスポーツクラブの支援となるとまだまだ十分ではなく、先述のように、小規模のクラブではスポンサーを得るのも難しい状況だ。しかし、「コネスポ」を利用することで、現在カバーしきれていない「スポーツ業界の課題」の解決につながる可能性は大いにある。
小規模のクラブでもお金をしっかりと稼ぎ、スポーツクラブで働いている人に還元できる仕組みが成立すれば、日本のスポーツ産業のさらなる発展も期待できるだろう。「コネスポ」がスポーツ業界にどのような影響を与えるのか注目だ。