日本のメーカーも2021年以降にようやくRISC-Vに取り組むように
日本が本格的にRISC-Vに取り組み始めたのは2021年以降という感じだが、これは2020年9月にNVIDIAがArmを買収する事を発表したことが要因としてある。この買収に合わせ、NVIDIAの出したレター(https://blogs.nvidia.com/blog/jensen-employee-letter-arm/)には「NVIDIAのAI技術をArmのエコシステムにもたらすと同時に、NVIDIA製品に携わる開発者を現在の200万人から(Armエコシステムに携わっている)1500万人以上に拡大する。」とはっきり記されており、要はArmにCUDAを持ち込むことを隠しもしなかった。
ここにきて、冒頭の「どこかのメーカーに売り払われるリスクがある」が、実際に「ArmのIPコアを使う限り、NVIDIAのCUDAを利用する事を強要されるリスク」として顕在化したのだ。これを受けて、国内のArmのライセンシーとしてはプランBを用意する必要が出てきた。現状のままArmコアを使い続けるのがプランAだが、それが条件的に許容できない場合にどうするか? という代替案はないと、ビジネスに支障が出ると判断したわけで、その答えがRISC-Vを使うというものになるのは当然の流れである。
ちなみにこの時期、RISC-V陣営はNVIDIAのArm買収に関して比較的楽観的だった。理由は、これが成立すれば間違いなく多数のArmのライセンシーがRISC-Vに流れるのが見えており、一方破談になった場合に同等の金額を出せる他のメーカーが存在しない以上、ソフトバンクが引き続き保持するか、もしくは再IPOをすることになる(実際した)。
そしてその状況では、Armが投資家にとって魅力的であることをアピールするために売上や利益をかさ上げする必要があり、その原資はライセンス料やロイヤリティーである以上、これらを値上げせざるを得ない。このことに嫌気をさしたライセンシーがRISC-Vに流れ込んでくる、と期待できるからだ。実際これに近い状況になっているようで、その意味でRISC-V陣営の読みは正確だったことになる。

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