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前田知洋の“マジックとスペックのある人生” 第206回

アメリカの老舗メーカー「キッチンエイド」のハンドミキサーは質実剛健で使いやすい

2023年11月21日 16時00分更新

文● 前田知洋 編集●ASCII

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良い道具で腕前や出来栄えは変わる

 リーズナブルな価格でも、必要十分な性能の商品も最近は多くなってきました。しかし、筆者は、仕事で使うマジック道具はもちろん、生活家電、調理道具にもお金を惜しまないことにしています。

 その理由は、品質、性能など、いろいろあります。一番の理由は「使っていて、気分が良いから」。逆に言うと、料理とマジックは「楽しくやったほうが出来が良い」と思っているからです。

 それに加え、マジックも料理も、道具が不調なときに中断しにくい。ショーの観客も、お腹を減らした人(自分)も、待たせるわけにいきません。そこで、多少高価でも、質実剛健なロングセラー商品や老舗メーカー製を選ぶようしています。

 何か新しいことをスタートするときに「初心者向きの道具からスタートする」のもいいですが、筆者は「良い道具で始める」タイプですね。

 それでも、普及品に比べて価格が3〜4倍になることもあるので、やっぱり購入には躊躇しちゃうんですけどね……。

老舗のアメリカ製品らしい気配り

 筆者が使う仕事の道具、トランプはU.S.P.C社(アメリカ)製を30年以上使っています。アメリカの歴史はU.S.P.Cの歴史と言う専門家もいるくらい伝統のあるトランプメーカーで、筆者もオハイオ州の工場見学にも招かれたことがあります。おそらく世界最高品質のトランプだといわれています。

筆者専用トランプ。新色、新デザインの「チェーンバック」

 今回購入したキッチンエイドのハンドミキサー「9KHM928ER」も(購入価格はAmazon.co.jpで1万1223円)、そんなアメリカを代表する老舗キッチン家電メーカー製です。

 キッチンエイドのブランドの歴史は1919年から。アメリカでも有名なキッチン家電メーカーで、とにくスタンドミキサーがブランドの代名詞として知られています。

 どんなところに良さを感じるかというと、使い手のことを考えた性能にあります。

 まず、高速モードでも低速から回転してスピードを上げ、生地がボウルから飛び出すのを防ぐ機構。そして、キッチンでコンセントが左右どちらにあるかで変えられるロック可動式コードなどもそなえます。これは左利きの人にとっても便利な機能かもしれません。

コードの方向を左右に振れるロック可動式コード

 さらに、ハンドミキサーの底面が平たく、テーブルに攪拌部分が触れないように立てて置けるようになっています。こんな気配りが、老舗メーカーの強みなのでしょう。

調理中でも攪拌部分がテーブルに触れずに立てられる

 もちろん、丈夫で長く使えることもアメリカ製品の特徴。アメリカの友人に聞くと、アメリカのメーカー製家電の耐用年数は10〜30年だと豪語する人もいるくらい質実剛健です。

パワフルで静か、速度調整も得意なDCモーター

 キッチンエイドは、単相100Vのスタンドミキサーでは史上初めてDCモーターを採用したブランドだとうたっています。メーカーによれば、DCモーターは、始動時の速度を抑え高トルクを発生するのが特長。

 また、従来のACモーターに比べ回転速度を遅くし静粛性を向上する一方で、撹拌速度はギア比の調整で逆に上がっているとのこと。高速回転を維持しながら、静かで力強い撹拌を実現したとうたいます。

 筆者が購入した9KHM928ERの攪拌のスピードは9段階。最高スピードの「9」でも走行中の電車内ほどの音量です。ハンドミキサーなどの調理器具としては、かなり静かな部類でしょう。モーター音としては、高音のノイズが少なく、個人的には不快ではないタイプの音でした。もちろん、騒がしく感じるかどうかは人にもよりますが……。

最高スピードの「9」でも80dB(走行中の電車内ほど)。ハンドミキサーとしては、かなり静か(50cmで測定)

 上で説明したように、回転速度を低速から高速までステップで進められるのも、DCモーターのメリットです。最高速度の「9」で測定しても消費電力は29Wでした。ただし、これは無負荷のときなので、パン生地を練るなど、力の必要な場合はもっと消費電力は高くなります。カタログ値では85Wになるそう。

よく使う中間スピードの「5」(無負荷)で16Wの消費電力

 以前使っていたACモーターのハンドミキサーでは最高速度で160W(無負荷)だったので、ここでもアドバンテージを感じます。

アタッチメントが豊富

 アタッチメントも豊富でした。全4種類、6つが付属しています。小麦粉入りの生地に便利なダブルターボビーター、卵白や生クリームホイップ用のワイヤーホイップ、パン生地用のダブルドゥーフック。また、リキッドブレンダーはカプチーノのミルクを泡立てるのにピッタリです。

左からダブルターボビーター、ワイヤーホイップ、ダブルドゥーフック、リキッドブレンダー

 難点は、他の製品よりも少し重量があること。筆者には苦にはなりませんが、ダブルターボビーターを装着するとおよそ1.2kgです。手の小さい方には、長時間の使用は少し疲れるかもしれません。購入前に販売店などでチェックするなど注意が必要でしょう。

アメリカ製品のブランドランキング

 世界最大のブランディング会社、インターブランドによる世界ブランドランキング(2022年)では、1位がアップル(10年連続)、2位にはマイクロソフトがランクインしています。アップルと同じアメリカの製造業では、7位にコカ・コーラ、10位にナイキ、12位にテスラが入っています。

 日本のトヨタ(自動車)が6位に入っていることから、なんとなく消費者のブランドや製品へのイメージや信頼度が測れる気がしています。

 アメリカ国内だけでなく世界中で使われているというキッチンエイドの製品も、自分で使ってみると、使いやすく質実剛健。ブランドが信頼されている理由がわかるように思いました。

 「料理に絶対必要!」というわけではありませんが、あると調理時間が短縮になったり、疲れにくくなったりするハンドミキサー。「長く使う」と想定したら、それほど高くない買い物のはず。少なくとも、料理をしている時の気分が良くなることは確実です。

前田知洋(まえだ ともひろ)

前田知洋

 東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、チャールズ英国王もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。

 著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『芸術を創る脳』(共著、東京大学出版会)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。

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