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前田知洋の“マジックとスペックのある人生” 第200回

「東洋スチールのツールボックス」が収納に便利な理由とは?

2023年08月29日 16時00分更新

文● 前田知洋 編集●ASCII

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東洋スチールのツールボックス

もっとも便利で、愛用しているアイテム

 マジシャンの悩みのひとつは、仕事に使う道具の整理整頓です。

 マジックは、不思議なことが、パッと一瞬で起きるように見えるかもしれません。しかし、その裏側にはタネや仕掛けがあり、それらの扱いは意外に繊細なのです。そんなマジックの道具をぞんざいには扱えません。なくしてしまうのはもちろん、どこに入れたのかわからない……となっても大変です。

 そんな大事な仕掛けの保存や持ち運びをするために、いろいろな容器を使ってきました。もっとも便利で、愛用しているのはTOYO(東洋スチール)の「ツールボックス(工具箱)」です。

東洋スチールのツールボックス

マジシャンに大切な、爪の手入れ道具が入れてあるツールボックス「T-190」(実売価格は1400円前後)

 その理由は、サイズのバリエーションが豊富で、丈夫で安っぽくない感じがとても良いから。そして、なによりも価格が手頃だからです。

創業して半世紀超えのメイド イン ジャパン

 東洋スチールは1969年の創業です。世界で初めて1枚の鋼板から「深絞り技術」で継ぎ目のない工具箱を作ったというメーカー。MoMA Design Store、無印良品などといった人気ブランドとコラボレーションもしていて、伝統的でありながらモダンな色使いの商品を作り続けています。

魅力はカラーバリエーションとスタッキング(重ね積み)

 筆者はツールボックスを収納箱として使っています。収納は「どこに」「何が」入っているのかが重要です。必要な物がすぐ見つけられることが、筆者にとっては大切。

 同社のツールボックスのシリーズは色の選択のセンスが良く、工具箱にありがちな赤や黒だけではなく、オリジナリティーあふれるモダンなカラーが揃っているのが特徴。外から見て、すぐに中身が思い出せるため、ラベリングをしなくてもいいところが気に入っています。

 さらにスタッキング(重ね積み)ができることも、大きなメリット。筆者のように、何十年もマジックを仕事にしていると、当然レパートリーが増えていきます。それと同時に使う道具も増えていき、ひとつの場所には収まらなくなります。

東洋スチールのツールボックス

スタッキングができる秘密は、ぴったり噛み合う上下の凹凸にあります

 そのため収納箱も買い足しますが、東洋スチールのツールボックスは定番の形が継続して販売されている上、スタッキングに対応した形状になっているのもありがたいところ。

商品の型番もわかりやすく親切

 定番のツールボックスにおける、品番の見方を説明しましょう。まず、品番の最初に「T」が付くものと、「Y」が付くものがあります。その違いは次の通り。

「T」……直方体のトランク型(スタッキング可能)
「Y」……上部が山形

 そして、アルファベットに続く数字が横幅(内側、単位はmm)です。つまり「T-190」なら、四角い形で、横幅(内側)が19cm。

 オプションのカラーがある場合は、続いて「SV(シルバー)」、「W(ホワイト)」「BG(ベージュ)」などと続きます。つまり「Y-350W」なら、上部が山形で幅が35cm、白い塗装です。

東洋スチールのツールボックス

ちなみに、「T-360」(実売価格3800円前後)にはT-190が収納できる

 こうやってラインナップがわかりやすく統一されているので、サイズの間違いが避けられ、ネットショップで買い足しやすいのです。

 塗装も青、シルバー、コッパーなど、ラメ感のある光沢のタイプから、マットな仕上がりの白や黒などもあり、目的や用途にあわせて選べます。

 DIYやキャンプが趣味の人だけでなく、紛失しやすくデリケートなSDカードなどの電子部品まで収納できるツールボックス。買い足しやすく、整理整頓にとても便利なのです。もちろん、ひとつだけで使うのもおすすめです。

スチールの特性をメリットと考えるか、デメリットと考えるか

東洋スチールのツールボックス

「T-320」(実売価格1900円前後)にはマジックで使う特殊なテープや糸などを収納

 ただ、堅牢製、長寿命のスチール製品にはデメリットもあります。それは重さです。ちなみに、筆者が多く愛用しているT-190シリーズはおよそ400g。

 もっとも、筆者はこの重量感が気に入っています。置くと安定する、机などからすべり落ちにくいなど、メリットもあると感じているからです。

 また、角が丸いデザインも、好みがあるかもしれません。人の肌や机などを傷つけにくいと思う人もいれば、使い方や収める道具によっては隅の収まりが悪いと感じる人もいるはず。

 いずれにしても、材質の特性が自分にとってメリットなのかデメリットなのか、しっかり考慮して購入することが肝心でしょう。

見せる収納と隠す収納。収納はマジックと似ている!?

 マジックは「観客の目の前で何が起きるのか?」をうまく見せること(何かを使う)、「どうやってやるか?」のタネやシカケの部分を表に出さないこと(何かを隠す)、その2つを同時にするのが難しいところです。

 収納は、それと似ていると筆者は思っています。

 たとえば、扉のついた棚の引き出しの中に入れておけば、道具は外から見えなくなるのですが、使うときに取り出す際は手間です。一方で、道具を出したままにしておけば、見える位置にあるのですから、すぐに使えて便利でしょう。しかし、見た目が乱雑になりやすく、予期せぬ紛失や破損のリスクも生まれます。

 そこで、その中間を考えてみます。使うときは見やすく、それでいて片付けやすい環境を整えるのです。道具を収納箱に入れ、見えるところにまとめて置いておく。道具は見えないのですが、「どこに」「何が」入っているかがわかりやすければ、いざというときに使いやすい。

 さらに、その収納箱がスタイリッシュで使いやすければ、もっと生活が豊かになるはず。マジックと同じで、うまく見せることと、何かを表に出さないことが同時にできるのですから。

 収納とマジックの関係を、筆者はそう考えています。その考えを実現してくれたのが、東洋スチールのツールボックスなのです。

前田知洋(まえだ ともひろ)

前田知洋

 東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、チャールズ英国王もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。

 著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『芸術を創る脳』(共著、東京大学出版会)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。

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