このページの本文へ

前田知洋の“マジックとスペックのある人生” 第190回

電動シェーバーで“人生は変わる”のか?

2023年04月11日 16時00分更新

文● 前田知洋 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

“人生が変わる”グッズがほしい

 先日、大阪のホテルに宿泊したら、部屋はそれほど広くなかったけれど、ベッドの寝心地がすごくよかったのです。

 似たようなベッドマットを買うつもりで、ネットで検索や家具店を回ってみました。すると「人生が変わるベッド」というコピーで売られているものがあり、思わず感動。ただ、値段も通常価格のおよそ3倍なので、今も悩み中です(笑)。

 “人生が変わる”というコピーの優秀さに感心しつつ、ふと、気がついたことがあります。さまざまな製品を選ぶとき、価格やネットランキングなどで「とりあえず、これで良いかあ」と決めがちです。でも、もっと探していくと、“人生が変わる”ほどの商品があるのかも……。

 それ以来、ベッド以外の製品でも「人生が変わるグッズがあるかも?」という思いが頭から離れません。

 そこで、今回は「人生が変わる○○」と銘打ってもいいようなグッズを探してみることにしました。とりあえずの条件は、下の3つです。

1.「うぁ! 今まで使っていた製品とぜんぜん違う」という驚きがある
2.「こんな便利なものがあるとは……」など、知らなかったことを悔しがる
3.「次も同じコレにしよう」と、使っているうちに愛着、信頼度が生まれる

マスクを外す機会が増えるかも
T字カミソリから電動シェーバーへ

 筆者は、入浴時にT字カミソリでヒゲを剃る派です。フリーランスなこともあり、「今日は外出も来客もないかも……」なんて日は、ヒゲ剃りをサボることもしばしば。顔をマスクで隠すことが習慣になったせいもあるかもしれません。

普段使いのT字カミソリ(左)、IZF-V939-S(中央)、海外旅行用のブラウン社(右)と、フィリップス社製電気シェーバー(上)

 しかし、2023年3月13日から、新型コロナ対策としてのマスクの着用について、政府は「着用するかどうかは、個人の判断が基本となる」としています。筆者としても、マスクを外す機会が増えてくるかもしれません。

 そこで、必要な時に短時間で剃れる、電気シェーバーを購入することにしました。

 ただし、今回は「人生が変わる○○」がテーマです。そこで、「人生が変わるシェーバーはないかなあ」とネットや店頭でリサーチ。海外旅行用の電気シェーバーを買ったのは10年ほど前ですから、最新製品を眺めながら、まるで浦島太郎気分です。

 さらに最近はだいぶ性能が上がっているうえ、2枚刃〜6枚刃まで選択肢も多く、値段も数千円から5万円を超えるモノまで幅広くて驚きました。

 まず、「人生が変わる電気シェーバー」の候補を探すポイントは、以下の条件に絞りました。

○ヒゲは濃い方ではなく、鼻下もしっかり剃りたいので、ヘッドが小さい2枚刃〜4枚刃
○電気シェーバー特有のピリピリ感が嫌いなので、肌に負担が少ないタイプ
○電化製品の掃除が趣味なので、自動洗浄機能は無し
○充電をうっかり忘れるので、充電/交流式は必須

「IZUMI IZF-V939-S」で人生は変わるか
決め手は3年保証のチタンコーティング刃

 シェーバーは店頭で試せないので、ネットのレビューや口コミを熱心に読みながら、上の条件で探し、4枚刃往復式シェーバー「IZUMI IZF-V939-S」(マクセルイズミ、実売価格1万円前後)に決定しました。

 1番の決め手は、通常1年〜1年半でダメになるという電気シェーバーの刃に3年保証が付いていること。もっとも負荷のかかる前後の刃に、チタンをコーティングすることで、凹凸が少なく、刃の表面がなめらかになったとうたいます。

 ほかにも、内刃に耐蝕性、硬度の高い冷間圧延ステンレス鋼を採用した「スリムシャープ内刃」、独自の外刃加工技術で広角90度のカット角を実現、従来形状に比べクセヒゲ捕らえ率を18%アップしたとうたう「アクティブキャッチトリマー」などを特徴とします。

 蛇足かもしれませんが、「安心と信頼の日本製、ハイエンドシリーズ」「シェーバー開発に関わって60年」という製品コピー、会社概要など、“人生が変わる”っぽい雰囲気に満ちている点にも背中を押されました。

 1週間ほど、IZF-V939-Sを使ってみましたが、たしかに「うぁ!今まで使っていたのと全然違う」というハイエンド感があります。とくに毎分1万ストロークという音波駆動は初めての経験。そのせいか、ヘッドを肌に軽く当てることを心がければ、肌への負担も少なく感じました。筆者の場合、石鹸をつけてのT字カミソリと変わらない使い心地です。

 電気シェーバーをしばらく使っていなかったこともあるかもしれませんが、「これは人生が変わるかも……」という予感を感じたのは、製品の性能だけでなく、剃りたいと思ったら、すぐに使えること。筆者はフリーランスで自宅がオフィスなので、PCの横に置いて、気が向いたときや、急な外出前に使っています。

ポイントは、プレシェーブローションと刃物油

 「3年替刃交換不要」をうたうIZUMI IZF-V939-Sとはいえ、コンディションを保つにはメンテナンスも必要でしょう。

 とりあえず、滑りを良くするために肌につけるプレシェーブローション、刃を掃除・洗浄したあとに使う刃物油を用意しました。

左から、プレシェーブローション(花王)、日本刀から料理包丁まで使える刃物用椿油(黒ばら)

 プレシェーブローションは電気シェーバーと肌の間の滑りをよくし、刃を押し当てても皮膚を曲げずに剃りやすくするため。筆者が使う「サクセス プレシェーブローション(花王)」は、滑りをよくする微粒子パウダー、炎症をおさえるグリチルレチン酸などが含まれているので筆者は気に入っています。ただしエタノール(アルコール)がやや強めなので、敏感肌の人には向かない気もしています。

 刃物油は肌に触れてもOKなように、日本刀から調理用料理包丁にも使える、椿油が主成分のものを選びました。椿油は皮脂に近いオレイン酸類。ただし、プラスチック部品への影響は不明なので、もし参考になさるなら自己責任でどうぞ。

人生が変わる瞬間はグラデーション

 マジシャンとしての人生を振り返ると、人生が変わる瞬間というのは、すぐに気付けるものではないように思います。“瞬間”というよりは、数年後、あるいは10数年後にわかる、グラデーションのようなもの……そんな気がしています。

 今回購入した電気シェーバーも、人生が変わる製品になることを祈りながら、毎日愛用してみるつもりです。

 ギリシャ古典のことわざにも「よい始まりは、半分終わったも同じ」、日本でも「物事はしょっぱなが肝心」とあります。これからも、そんな製品を探す人生の旅、何かよい製品と出会ったら、また報告したいと思っています。

前田知洋(まえだ ともひろ)

 東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、チャールズ英国王もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。

 著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『芸術を創る脳』(共著、東京大学出版会)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン