親なら知っておきたい人気スマホアプリの裏側と安全設定 第246回
学校のSNSアカウントはブランディングにも力を入れるタイミング
意外? 高校生のオープンキャンパス情報収集はオフライン中心
2023年11月21日 09時30分更新
教員おすすめ、Web検索で参加も
夏休み前後から秋の学祭の時期には、多くの大学や専門学校などでオープンキャンパスが開催される。高校生たちは、どのように情報を得てオープンキャンパスに参加しているのか。高校生を対象としたB.A.O.V.のオープンキャンパスに関するアンケート(2023年10月)を見ていこう。
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オープンキャンパスでは、キャンパスツアーや学校説明会、体験授業などが実施され、入学後のイメージができるようになる。入学したい気持ちがさらに高まったり、入学後のミスマッチが防げたりするなどの効果がある。参加することには、学校側にとっても高校生側にとってもメリットが大きい。
オープンキャンパスに参加したきっかけについて聞いたところ、高校生の41.8%が「元々夏休みになったら行こうと思っていて自分で調べた」と回答。ただし6割の高校生は夏休み後に訪問する学校を決めており、学校側は夏前から夏休み後まで継続して広報する必要がある。
そのほか14.1%が「高校の先生にオススメされた」、13.7%が「Web検索で情報を見つけた」となっている。高校教員への学校認知やブランディングと共に、SEO対策やWeb広告も効果がありそうだ。
意外? SNSはきっかけになれていない
前述の通り、「夏休みに行った学校のオープンキャンパス参加のきっかけになったのはどんなことですか?」と聞いたところ、最多は「元々夏休みになったら行こうと思っていて自分で調べた(41.8%)」だった。
一方SNSは、最も高い数値のInstagramでも2.7%となり、そのほかも含めて下位となっている。高校生はSNS利用時間が非常に長いが、まだまだオープンキャンパスなど進学系の情報取得の場にはなっていないのだ。現在学校が運用しているSNSのほとんどが「イベント告知」をする場となっているが、「学校認知(ブランディング)」にしていく方向転換が必要そうだ。
SNSは高校生にとって友達とコミュニケーションを取ったり、趣味の情報を得る楽しみのための場だ。しかし、圧倒的に長い時間をSNSで過ごしており、SNSでの情報発信は高校生に受け入れられる可能性が高い。
事実、高校生でもSNSは勉強垢など学習のためには使われており、大学生になると就活のための情報を得る場としても使われている。高校生が気になる情報を発信することで、SNSでも情報を届けることができるのではないだろうか。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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