メルマガはこちらから

PAGE
TOP

日本発グローバルピッチ 外国人就労者向けの多言語モバイル金融サービス「GIG-A」が優勝

2023 Takeoff Tokyo Pitch Contest Finals

特集
ASCII STARTUP イベントピックアップ

1 2 3 4 5

外国人就労者向けの多言語モバイル金融サービス「GIG-A」

 最後はエストニアから参加のG-Bank Technologiesが登壇。CEOのRaul Allikivi氏がプレゼンテーションを行った。「GIG-A(ギガー)」は、主に外国人を対象としたネオバンクで、多言語対応のバンキングサービス。海外送金など、日本に住む人が必要とする金融ニーズに対応するオールインワンセンターを目指しているという。

 日本において、外国人が銀行口座を開設するのは非常にハードルが高く、外国の口座、カードをそのまま使うという人も多い。その場合、為替手数料など余分なコストがかかり、長期滞在や就業ビザで働く人にとって不便なものとなっている。

 口座開設においても、日本語が理解できないと開設が難しく、不備があると修正を求められるが、それを「断られた」と解釈してあきらめてしまう人も多いという。窓口で手続きすることも多く、オンライン取引に慣れている人にとってはストレスに感じることもある。「GIG-A」のサービスを使うことで口座の開設から各種サービスの利用まで必要なサービスが提供できるとしている。

 日本にでは少子高齢化の進展により労働力不足が懸念されているが、外国人労働者を受け入れる準備が十分とはいえないとRaul Allikivi氏は言う。銀行口座開設ひとつをとっても、金融機関は外国人向けのサービスを提供したくないのだと実体験をもって語る。

「GIG-A」は、銀行ではなく、銀行の代行サービスでもないという。あくまでも顧客(銀行を利用したい外国人)の代行として取引を実行するために介在するという。

 質疑応答では、どのようにこのサービスを訪日外国人に知ってもらうのかという質問に対して、就労する外国人の多くは人材会社を介することが多いことを指摘。人材会社が銀行口座開設など生活の手伝いもしていることから、人材会社にアプローチし、彼らの業務負担を軽減することでサービスも導入してもらいやすいと回答。

 日本の金融機関との連携については、現在UI銀行(きらぼし銀行FGのデジタルバンク)がメインパートナーだが、ゆうちょ銀行や三菱UFJ銀行など他の銀行とも連携してゆくと回答。

 その他セキュリティなどに関しては、銀行レベルのセキュリティチェックを行なっており、口座開設後は通常の日本の銀行以上のセキュリティチェックも行っていると回答。また、学生の口座開設はできず、滞在許可が6カ月を切った場合も口座開設ができないという。

 サービス定着率に関しては、日本での平均的な就労年数(おそよ18ヶ月)を算出しているが帰国の際に銀行口座を母国のものに変えるなどでGIG-Aを使い続けてもらえるようにしたいと展望も添えられた。

1 2 3 4 5

合わせて読みたい編集者オススメ記事

バックナンバー